ねー、『賢い医師生活』見た?
その前に『刑務所のルールブック』から見ようと思って
『刑務所のルールブック』は正直そんなに華々しい感じではなく、お目当ての俳優がいたわけでもないので、いつか見ようと思って後回しにしていたドラマでした。
韓国で放送当時も、じわじわと人気が出て「おもしろいよ」と小耳にはさんだものの、そこまで盛り上がった感じではなかったんです。
そうこうしているうちに、今年ヒットしたドラマ『賢い医師生活』が見たくなり、どうやらつながりがあるらしい同じ「賢い〇〇生活」シリーズの『刑務所のルールブック(原題:賢い監房生活)』から、順を追ってようやく見ることにしました。
が…、
全然期待していなかったのに、どっぷりハマってしまいました!
けっして派手ではないですが、玄人好みで噛めば噛むほど味が出る人間ドラマです。
ドラマを見ているうちに、昔読んだ漫画『人間交差点』を思い出しました。
この漫画もいろんな人間模様が描かれている傑作ですよね。
きっと『人間交差点』が好きな人は、『刑務所のルールブック』にもハマるはず!
では、さっそくこのドラマの感想と見どころをお伝えしますね!
予想以上によかったよ!
『刑務所のルールブック』あらすじと作品情報
放送局 / 放送日 | tvN / 2017.11.22. ~ 2018.01.18. |
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最高視聴率 | 11.2% |
話数 / 年齢制限 | 16話 / 16+ |
原題 | 슬기로운 감빵생활(賢い監房生活) |
脚本 | チョン・ボフン |
キャスト | パク・ヘス、チョン・ギョンホ、チョン・スジョン(クリスタル)、チェ・ムソン、カン・スンユン、チョン・ヘイン、チョン・ミンソン、パク・ホサン、イ・ギュヒョン |
簡単なあらすじ | メジャーデビューを控えた野球選手、キム・ジェヒョクは、韓国シリーズ2年連続MVP、ゴールデングローブ3連覇、セーブ王、防御率王に輝いたネクスン・ヒーローズのスーパースター投手。 メジャー契約のためにアメリカに出発する数日前、ある事件が起き、彼の人生は180度変わってしまう。 ユニフォームの代わりに囚人服、緑のプラスチックスプーンと古い毛布を受け取って向かったのは、3坪余りの狭い部屋。この世の終わりの家、刑務所だったー。 |
では、さっそく感想だよ!
『刑務所のルールブック』感想:ネタバレなし
あまり派手ではないけれど、じーんと心に染みる良質な人間ドラマで、見始めたらしっかりハマってしまいました。
刑務所での話なので、いろんな事件や複雑な人間関係などが描かれるんだろうなとは誰もが想像すると思いますが、それでも予想以上によかったです!
刑務所の暗いイメージや男性だけの話になりがちなところを、ほんわかした笑いや恋愛もあり、多くの登場人物のキャラクターがはっきりしていて、おもしろい!
「ここも(刑務所も)人が住むところだ」というセリフが何回か出てきます。(日本語では意訳されているかも)
どんな所でも人が住んでいる限り、友情、信頼、喜び、愛情…がやっぱり存在するんですよね。
誰もが最悪の場所、最悪の環境だと思う刑務所で奮闘し、人生を見つめなおす受刑者と、それを見守る刑務官。
「ふふっ」と笑い、じーんと涙した、とてもいいドラマでした。
次は見どころ4つ!
見どころ解説
いろんな人生が交差する人間ドラマ
スーパースターの野球選手が主人公であるものの、彼を取り巻く受刑者や刑務官、またその家族など、多くの人が登場します。
それぞれに抱えた想いや人生を、時々フラッシュバックも交えて見せてくれるんですが、それが淡々としていながら、せつない。
殺人、詐欺賭博、傷害致死、麻薬、窃盗、横領…
刑務所にいるから悪人だとは言い切れず、なぜか歯車が狂ってこうなってしまったり、何十年も後悔したり…。
主人公と関わることで見えてくる他の人たちの人生が、誰もが必死でそれぞれがとても印象的でした。
そんな人生を垣間見つつ、話されるセリフも心に染みるんです。
登場人物が多いのにもかかわらず、ストーリーがしっかりしていて、このドラマの中だけでもいろいろと交わり、張られた伏線が回収されていくのも見どころです。
演じる俳優たちも実力派がそろっていて、泣いたり笑ったり、話にすっかりひきこまれてしまいました。
けっこう泣いたなあ~
じわじわとくる笑い
すごい派手な笑いじゃないけど、「フっ」と笑ってしまう小さな笑い、見ているうちにじわじわくる笑いがちょこちょこ入ります。
ハニャンはボディーガードのまねしてるっぽい
そんな笑いが刑務所のダークな感じや、シリアスな人間ドラマをうまく和らげてくれて、テンポよく見られました。
登場人物それぞれに笑いのツボがあって、見ているうちにどのキャラも愛すべきキャラになってきますよ。
いつの間にかハマってしまう主人公の魅力
スーパースターのこの主人公、実はかなり抜けてます笑
野球はすごいんですが、感情表現が下手、ちょっととろくて、反応速度が遅い…
「あ…」
「お…」
とワンテンポ遅れた反応するのに、なぜだかこっちまでハマってきます。
不器用で単純だけど、実直でまじめな性格、ヒーローだからとおごることなく、優しくて仲間思い。
でもいざという時には腹がすわってて、強い。
そんな主人公だから周りの受刑者が助けてくれるんですよね。
私は得意な料理を聞かれた時の反応が一番笑えました。
笑いってやっぱり”間”が重要だよね
心に溜まった想いを吐き出すラップのBGMが新鮮
ドラマの冒頭は、韓国でラッパーの登竜門となっているオーディション番組”SHOW ME THE MONEY5”で優勝したBewhY(ビーワイ)のラップで始まります。
また、ストーリーの中で重要なシーン、何かを決心したり、内面を吐露するような場面でウ・ウォンジェのラップ『香水』が流れるんですが、
これがシーンにぴったりで心をつかまれてしまいました。
この曲は、過去の後悔と未来への期待だけで、今現在がない所=刑務所に閉じ込められている主人公の内面の感情を吐露しています。
ウ・ウォンジェも”SHOW ME THE MONEY6”で決勝までいきましたが、まさにこのオーディション番組自体がラップでのバトル続きで、まさに戦場。
時には相手をディスり、気勢をはってマシンガンのような高速ラップでたたみかけ、自分の内面を吐き出す。
刑務所を舞台にしたこのドラマと雰囲気があっていて、ラップをBGMに起用したのは絶妙な一手ですね。
今でもこのラップが入ってきたシーンの鳥肌が立つようなカッコよさが忘れられません。
BGMにしびれるよ…
最後に:意外とファンが多い『刑務所のルールブック』
やっぱりドラマは見てみないとわかりませんね。
人間ドラマといえば『応答せよ1997/1994/1988』の『応答せよシリーズ』も人気なんですが、じつは『刑務所のルールブック』も同じ制作陣なんです。
見る前までは知らなかったんですが、見始めたら一気に見てしまいました。さすがですね!
今となっては根強いファンがいるのも納得できます。
秀逸な名作品といえるドラマなので、ぜひ見てみてくださいね。
シリーズで見るとおもしろさ倍増するよ!