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『ウンギョ 青い蜜』感想:若さとは、あるいは「生」とは「性」ということかも

『ウンギョ 青い蜜』スチールカット
出典:은교

ドラマ『トッケビ』で一躍有名になったキム・ゴウンのデビュー作

とても新人とは思えない演技力で、韓国のアカデミー賞といわれる第49回大鐘賞で「新人女優賞」を、その他にも複数「新人賞」を受賞しています。

この映画はぶっちゃけキム・ゴウンの大胆なヌードシーンに期待して観覧する人も多いんですが、見た後は”やるせなさ”でいっぱいになります。

では、さっそく『ウンギョ 青い蜜』の感想と見どころをお伝えします!

この記事を書いた人

韓国在住10年。ほぼ毎日韓国ドラマ、映画三昧です。特に作品性が高く、メタファーや伏線、隠れネタがあるものが大好物。映画をテーマに卒論執筆、映画・ドラマのエキストラ経験あり。

プロフィール

パンダ夫人
目次

『ウンギョ 青い蜜』あらすじと作品情報

『ウンギョ 青い蜜』のポスター
出典:은교
公開 / 時間 / 年齢制限2012 / 129分 / R15+
監督チョン・ジウ
原作パク・ボムシン『은교』
原題은교(ウンギョ)
出演パク・へイル、キム・ムヨル、キム・ゴウン
簡単なあらすじ少女の爽やかな若さと官能に魅惑された偉大な詩人イ・ジョギョ(パク・へイル)。

師匠の天才的な才能に嫉妬し、野心を持った弟子ソ・ジウ(キム・ムヨル)。

そして偉大な詩人の世界に憧れた17才の少女ウンギョ(キム・ゴウン)。

互いに持っていないものを欲しがった三人が、嫉妬と魅惑で複雑に絡み合った先には…

『ウンギョ 青い蜜』感想:ネタバレなし

この映画は大胆なヌードシーンに期待して見る人も多く、実際、大胆なのは確かですが、映画を見た後に感じることは、それよりも「老い」について。

若さとは、あるいは「生」とは、「性」ということかもしれません。

最後、老人の心情で泣けました。

『ウンギョ 青い蜜』老人スチールカット
出典:은교

話題としては主演女優のキム・ゴウンにもっていかれがちですが、70代の老人を演じたパク・へイルも必見です。

最初に「あれっ?特殊メイクで老人になってるのかな?」と思うは思うんですが、肌の感じや動きがそれはもう本物のようでした。

途中で老人の若い頃が出てきた時は、ずっと見てきた老人の姿とは対照的に、若い姿が本当に生き生きしていて引き立ってました。

詩人である老人の世界は繊細で、儚い夢のよう

それでこの映画がただのエロス作品で終わらず、詩的で文学的な美しい作品になっている所以だと思います。

トッケビ』でも高校生役を演じているキム・ゴウンは、正直すごい美人というわけではないですが、瑞々しく奔放な演技で、見ているうちに不思議と可愛くなって引き込まれてしまいます。

ただの美人よりもとても魅力的なのかもしれません。

パンダ夫人

これがデビュー作ってすごいね…

※公式な予告編がYouTubeにないため、韓国NAVER TVの公式予告編

感受性
詩人の世界を追体験し、感受性を刺激させられます
露出度
露出も大胆だけどチラチラ見えそうなのがドキッ
見どころ・キム・ゴウンの瑞々しく大胆な演技力
・老人の心情と若かった頃の躍動感
・詩人の感受性豊かな視線

※あくまで私の評価です。(普通が星3つ基準)

こんな時におすすめ!

しっとりと、ちょっとエロティックな映画に浸りたい時

パンダ夫人

なんとなく『痴人の愛』や『刺青』の谷崎潤一郎を思い出すよ

キム・ゴウン、ベッドシーンについてのインタビュー

映画では女子高生の設定でしたが、役を演じたキム・ゴウン本人は大学生でした。

とはいえ、デビュー作でこれだけの露出がある作品を演じるのは、かなり勇気がいりますよね。

撮影を開始してから、一番大きな悩みが露出についてだった。負担がなかったと言ったら嘘で、撮影直前まで寝ることもできないぐらい心理的な圧迫がすごかったが、撮影日になったら全ての負担を一旦忘れて、むしろ気が楽になった。

出典:‘은교’ 김고은, “베드신? 노출 걱정에 잠도 못잤다”

精神的な負担が大きい彼女を、監督や俳優たちがかなり気遣ってくれたそうです。

初めて編集されたのを見て、たくさん傷つきました。客観的に見れば、作品に合った演技だったし、それでいいことはわかるんだけど、私の姿だから少し傷つきました。心理的に不安で怖かったので、私がこの映画を始めた理由となる中心まで揺らいでしまうぐらいでした。技術試写会を見てからは少し楽になりましたけど。

出典:‘은교’김고은 “베드신 찍은후 아버지께서…”

映画を見ている時には、彼女は奔放な役になりきっていたので、こんな心情を少しも感じませんでした。

300人の中から選ばれたというこの役をしっかりこなして、今や実力派の女優として大活躍しているキム・ゴウンのデビュー作、ぜひ見てみてくださいね。

パンダ夫人

彼女の演技は本当にうまいよね

最後に:年齢によって感じ方が変わる『ウンギョ 青い蜜』

この映画を見た自分の年齢によっても感じ方がかなり変わるんじゃないでしょうか。

70代の老人の感情は自分がその年齢ではない以上、まだまだ理解できていないのではないか。

自分が年を重ねれば重ねるほど、もっと切実に感じる作品になりそうです。

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