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韓国映画『寄生虫(パラサイト)』を見た正直な感想:ネタバレなし

『寄生虫』を見た正直な感想:ネタバレなし

ポン・ジュノ監督の『寄生虫(パラサイト)』がカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞しましたね。韓国でもニュースで大賑わいでした。

ちょうど今年が韓国映画100周年になるそうで、初のカンヌ最高賞という朗報から数日後、韓国では5月30日に映画が公開されました。

私も公開翌日にさっそく見てきたので、正直な感想と韓国での評価をお伝えします。

また、今後見る人のために鑑賞ポイント、知っておくともっと映画を理解できる韓国の基礎情報もぜひ読んでくださいね!

【追記】6/16 シドニー映画祭でも最高賞「シドニー・フィルム・プライズ」を受賞

パンダ夫人
パンダ夫人
「寄生虫」が出るわけじゃないよ~

『寄生虫』を見た正直な感想

映画が終わった直後の正直な感想は、「うーん…」
すごいよかったとか、よくなかったとかの一言で表現できないのです。

観客たちも鑑賞中に笑いもあり楽しんで見ていたんですが、途中から思いもよらないストーリーに引き込まれ、終わった後は言葉を失っていました

パンダ夫人
パンダ夫人
上映後は本当に「しーん」って感じだったよ

正直、終わった瞬間「カンヌの最高賞を受賞するだけの映画なんだろうか?」という疑問が頭をよぎったものの、見終わった後、この映画についての解釈を議論したくなる内容なんです。

つまりは後を引く映画

カンヌ映画祭の特徴としてよく言われるのは、

映画としての完成度を大切にしており、高品質・文芸的な作品が評価される傾向にあります。
必ずしもハッピーエンドとはいえない作品が評価されたり、やや一般受けしにくい芸術系、渋い作風を好む玄人目線な一面もあります。
出典:https://hibino-cinema.com/film-festival/

好き嫌いは人によってわかれると思いますが、この作品の独自性と表現というところでカンヌで評価されたのだと思います。

それにしても映画を見終わった後も映画の解釈について話したり、考えさせる力があること自体がすごい映画なのかもしれません。

パンダ夫人
パンダ夫人
他の人の解釈を聞いて、また見たくなっちゃったよ

韓国での評価

映画公開から2週間(5/30~6/12)で、観客数750万人突破。

言うまでもなく、現在上映中の映画でチケット販売はぶっちぎりの1位です。

評価は10点満点で、だいたい平均8~9点ぐらいの好評価

評価、口コミ 出典:https://movie.naver.com/movie/bi/mi/point.nhn?code=161967

好評 ・最近見た映画の中で一番衝撃的だった
・ある瞬間から映画のジャンルが変わった – 歴代級におもしろい映画
・新しい歴史が刻まれた気分
・演技については言うまでもなく、シナリオがとてもユニークだった
ポン・ジュノというジャンル
・シナリオ、演出、俳優、みんなよかった
・ホラー映画でもないのに、どうしてこんなに心臓がドキドキする?
・最高!カンヌ受賞監督に間違いなし
不評 ・不快で残忍な映画だった
・時間が経つほど心苦しくなっていく
・気分が悪く、後味が悪い映画
・R15ではなく、R19にした方がいい
・家族悲喜劇のように見えても子供連れで見るのはお勧めしない
・おもしろくないし、感動もないし、これが受賞作?

これらの口コミの中でこの映画をよく表現しているコメントがこちら↓↓↓

サイダーみたいにすっきり爽快なのを期待してたけど、焼酎を3杯注がれた気分だった。1杯目は楽しく、2杯目はめまいがして、3杯目はとっても苦いね。

映画と言っても、私にはほとんどドキュメンタリーに思えた。この映画を見てスタンディングオベーションできるなんて、私は胸を押しつぶされて、しばらく立ち上がることができなかった。

『寄生虫』の鑑賞ポイント

この映画の特長を大きく5つ挙げてみました。知っているともっと楽しめると思うのでチェックしてみてくださいね。ネタバレはありません

全く予想もできないストーリー

『寄生虫(パラサイト)』というタイトル、そして紹介されているあらすじを読むと、

『パラサイト(英題)』は、全員無職で半地下の家で暮らすギテク一家(ソン・ガンホら)が、徐々に裕福なパク家に入り込み、寄生していくさまを描いたブラックコメディー。
出典:https://www.cinematoday.jp/news/N0108816

まあ、無職のギテク一家がお金持ちの家へ寄生していって、何か事件が起こるのかな?ぐらいの想像は誰もがすると思います。

でも想像を越えていましたね。

タイトルも納得。

全く先が読めない展開が続き、すっかりストーリーに没入してしまいました。

また、鑑賞前に予告編を見てもなんだか奇妙な感じがするだけで、よくわからなかったんですが、映画を見た後になってようやく「あ~なるほど」と理解できました。

パンダ夫人
パンダ夫人
ナレーションとかちょっと変じゃない?

1つのジャンルでは語れない

複数のメディアで「ブラックコメディー」と紹介されていますが、確かに最初はそうなんです。けっこう笑えるところもあって、音楽も雰囲気もそんな感じなんです。

でも、あるシーンから雰囲気がサッと変わり緊張感が高まっていきます

パンダ夫人
パンダ夫人
鳥肌たっちゃったよ

そこからのストーリーの吸引力はすごかったです。

ホラーなのか、サスペンスなのか、いやいや社会派なのか、やっぱりコメディ色もあって、一言でくくることができません。

エンターテイメント性がありながら、社会的な風刺を独特な方法で描く

笑わせながらも、社会問題を感じさせる独特な雰囲気があります。前半では笑いが多かったので、笑ってすませたことも、後半ではだんだん重くなってきます。

パンダ夫人
パンダ夫人
キーワードは「匂い」

俳優たちの表情と演出

韓国で誰もが認める名優ソン・ガンホも出演していますが、彼らのコミカルな演技だけでなく、だんだんと込み上げてくる感情が表情によく表れています。

また、そんな湧きあがる感情とともに豪雨、濁流、カオスな状況が大きなうねりを作っていたり、各シーンを引き立てる演出がよかったです。

多様な解釈ができるシナリオ、台詞、アイテムのおもしろさ

私も映画を見た後に解釈について検索しました。

人によっていろいろな解釈があって、「あのシーンはこんな比喩も含まれてる」とか、「あそこで出てきた〇〇はこういう意味だったのか」とか、なるほど!と思うものが多かったです。

映画の中で、このシーン、このアイテムは必要なのかな?と思ったものもあったんですが、他の人の解釈を見ると、なるほど必要だったんですね。

映画に出てくるアイテム、台詞、どんな行為も何かを表現するためのもので、どれも意味があるものだったんです。

パンダ夫人
パンダ夫人
「計画」もよく出てきた言葉。
ソン・ガンホの台詞「計画をたてたら、計画どおりにはいかない」

『寄生虫』を見る前に知っておくといい韓国情報

予備知識なしに見ても楽しめますが、知っておいたらもっと映画の理解が深まること間違いなしの韓国情報をお伝えしますね。

半地下の家

日本ではあまり見たことがないですが、韓国には半地下の家(部屋)がけっこうあります。

住むのには条件が悪いですが、家賃が安いのが特長

韓国ドラマでも苦労している人や貧困の象徴としてよく出てきます。地方から出てきたばかりの人だったり、ミュージシャンをめざしていたり、、、実際に学生や俳優、練習生など、半地下の部屋を借りている人も多いです。

韓国の半地下の家

出典:https://cafe.naver.com/topsister/1041

・湿気が多く、ジメジメしている/カビが発生しやすい
・窓が小さく、あまり開けられないので、換気がしにくい
・ほこり、虫が入ってきやすい
・陽が入りにくい部屋は時間感覚が麻痺する
・大雨などで浸水する可能性あり

祭壇のようなトイレ

半地下の家全てがこのトイレというわけではないですが、祭壇のように床面よりも上段につくられたトイレも見られます。下水よりも低い位置に住居がある場合、逆流しないためにこうなっているとのこと。

半地下の家の祭壇のようなトイレ

出典:https://blogs.yahoo.co.jp/illuminann/13792351.html

 

台湾カステラ

「台湾カステラ」は2016年秋ぐらいから爆発的に流行って、チェーン店の種類も店舗数も竹の子のように増えたんですが、あっという間に消えてしまいました。

たぶん1年ももたなかったんじゃないでしょうか。

「台湾カステラ」は、韓国外食フランチャイズ産業史上、最も短期間に成功して、衰退した商品という記録を残すことになった。
出典:https://www.sisain.co.kr/?mod=news&act=articleView&idxno=28805

韓国で大流行した台湾カステラ

出典:https://blog.naver.com/balpumi77/220875493182https://blog.naver.com/worldgasu/220901375564

ふわふわ、しっとりして、大きくおいしいカステラということで、一時は行列がすごくて入手困難なほどでした。

台湾カステラがすぐに衰退した理由

韓国は「台湾カステラ」のみならず、もともとお店の入れ替わりが激しく、お店も流行もはやると短期集中するが、続かない傾向にあります

よく韓国の人に言われるのは、日本に旅行すると何十年、何百年と続いている老舗のお店が多いということに驚かれますが、それほど韓国では1つのことでずっと同じ家業をしていることは珍しいです。

それは裏を返せば、経済的に安定しないために、とっかえひっかえ職を変えざるを得ないのだと思います。

会社勤めも大企業と中小企業の格差が大きいため、年をとって中小企業で苦労するならと定年になる前に会社を辞めて、何かお店を始める中年男性が多いとのこと。

そうしたこともあって、爆発的にブームになった「台湾カステラ」に飛びついた人も少なからずいたことは容易に想像できます。

【参考:台湾カステラがすぐに衰退した主な理由】
1.参入障壁が低かった
(卵・小麦粉・牛乳程度のレシピにオーブンがあれば、誰でも1週間ほど学んで作ることができた)
2.瞬く間にあまりにも多くの類似のフランチャイズが乱立した
(お互いに過当競争に突入して共倒れ)
3.ブーム中に鳥インフルエンザで卵の価格が急騰してマージン率が落ちた
4.チャンネルA 『食べ物 Xファイル』が、台湾カステラの原材料について批判した
(卵・小麦粉・牛乳・砂糖の他には何も入れないと公表されたものとは違って、食用油と添加剤を使用していることを放送)

出典:https://www.sisain.co.kr/?mod=news&act=articleView&idxno=28805

最後に:これから『寄生虫』を見る方へ

ここまで『寄生虫』についてざっと紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

映画の内容はカンヌで受賞しただけあって、世界中の人が理解できる普遍性もありますが、一方でいかにも韓国らしい情景や、方言、笑いもあります。

ぜひ、どんな映画なのか楽しんで見てみてくださいね。

パンダ夫人
パンダ夫人
パク・ソジュンも少し出てるよ!

韓国ではR15でしたが、多くの人がR19にすべきだとコメントしていることからも、子供連れで観覧しないほうがいいです。ちょっと気まずいシーンがあります。