はじめまして!
「アンニョンシネマ」を運営しているパンダ夫人です。
- 韓国在住10年
- 夫はパンダ似の韓国人
- W大学第一文学部卒
- 一番衝撃を受けた映画:『2001年宇宙の旅』
映画漬けだった大学時代
もともと映画が好きで、一人暮らしで自由を謳歌していた大学時代は、ほぼ毎日1本のペースで映画を見ていました。
2本立ての映画館や、週末にはオールナイトを見に行って、朝日の中を恍惚として帰ってきたこともいい思い出…
その頃は映画のチラシを集めてファイリングしたり、映画ノートをつけていて、印象に残った構図を描いていました。
スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅(1968)』を初めて見た時の衝撃はすごく、興奮して朝までノートを書いていたのを覚えています。
興味の原点は
映画・演劇専修というわけではなかったのですが、自由に授業を選べたので、気の向くままに興味のある授業を取ったり、もぐったりしていました。
もう20年以上前の話ですが笑、印象に残っているのは社会学とロシア文学、映画史の講義。
おもしろかった授業のノートや資料はまだ一部とってあるんですが、見返しても専門的すぎて正直あまり覚えておらず…(もったいない)
それでも当時、強烈に私のハートを掴んだのが、美術、文学、映画の中に表現されたイメージやシンボルについて。
例えば、ドストエフスキーの『罪と罰』に出てくるソーニャのショールの緑色、3という数字、銀三十枚。文脈的にはスルーしても特に困らないけど、イメージやシンボルの意味がわかると深みがグッと増すんです。
西洋だとたいていは聖書が下敷きになっていることが多いんですが、絵画でも、文学でも、けっこうそうした解読ができることが新しい発見で!
(しかも、『罪と罰』でじわじわ追い詰める判事が『刑事コロンボ』のモデルだったとか)
今思えば、映画を考察するのが好きなのも、これが原点なのかなと思います。
言葉より視覚で表現する監督たち
卒論は映画に社会学を合わせたような形で、「クシシュトフ・キェシロフスキ監督」を取り上げ、ポーランド・ロマンチシズムの系譜をたどりました。
他にポーランド出身では、イェジー・カヴァレロヴィチ、ロマン・ポランスキーなど、多くの監督がいるんですが、昔の白黒映画も見てみると意外とおもしろくて、なんといっても映像が斬新。
というのも、ポーランドは政治的にソ連の影響を受け、検閲によって言葉で表現できない状況でも、文化的に影響が強かったフランスのシュルレアリスムや、お隣ドイツの表現主義的な視覚表現を取り入れてきた土壌があったからです。
キェシロフスキ監督はのちにフランスで活躍しますが、十戒をモチーフにした『デカローグ』、分身が出てくる『ふたりのベロニカ』、フランス国旗をモチーフにした『トリコロール三部作』など、色を印象的に使い、形而上学的な表現もしつつ、人間の普遍的な生について描いているのが魅力。
社会人になって、マーケティングの仕事で「コンセプトを視覚化して形にすること」にすごく喜びを感じたんですが、思えばこれも一連の興味と通じている気がします。
東京とソウルでエキストラ経験
初めて参加したのは20代の頃、UCLAの院生が卒業制作で東京で短編映画を撮るというのに制作段階から参加。
キャスティングする時、思いがけずオーディションの相手役を演じたり(監督に演技うまいからやってと頼まれた笑)、実際にエキストラしたり。たいしたことない役でも、エンドロールに名前が載ったのはうれしかったですね。
エキストラはそれで満足したんですが、韓国に来てから思わぬエキストラ募集を発見。
Apple TV+の目玉ドラマで、ソウルでの撮影にエキストラ出演したんですが、お金のかけ方がハンパなく、監督のこだわりがすごすぎる!同じシーンを何度も、別の角度からも何度も…。実際には蜃気楼のようにぼやけてしか見えないエキストラでも、メイクや衣装もプロがキチンとしてくれて手抜きなし。
このドラマはアメリカの監督だったんですが、韓国のエキストラ俳優のみなさんに聞いたところでは、韓国ドラマはもっと早くどんどん撮っていくんだとか。そんな裏事情を聞いたり、撮影現場に立ち会えたのもいい経験でした。
実は韓国コンテンツすごいんじゃない⁉
実は移住するまで、あまり韓国についてよく知らなかったんですよね…。
映画は話題になった『シュリ』や『JSA』、『オールドボーイ』などは見たことがあったんですが、ドラマは韓国に来てから初めて見ました。
私が移住してきたのが2013年、ドラマ『星から来たあなた』のように、ちょうどこの頃から韓国コンテンツがアジアで人気を得て、2016年は『トッケビ』や『太陽の末裔』、映画でも『新感染 ファイナル・エクスプレス』や『哭声/コクソン』など、大豊作。
(この頃K-POPも、EXOにBTS、TWICEにBLACKPINK、歌もダンスもプロフェッショナルな彼らは日本語でいうアイドルのイメージを越えて、実はすごいんじゃない⁉と気づくことに…)
ドラマもまるで映画のような映像に、演技がうまい俳優たち、そしてキャッチ―な音楽に衣装、なによりストーリーがおもしろい!
そして、韓国映画のおもしろさが世界に広がったのは、アカデミー賞の作品賞、カンヌのパルム・ドールを受賞した『パラサイト 半地下の家族(2019)』ですよね。
私も、まるで大学時代に戻ったかのように夢中になりました。
アンニョンシネマについて
今はもう日常の韓国語で困ることはなくなりましたが、まだまだ知らない単語も多いし、聞き取れないことは普通にあります。
それでも、映画やドラマを韓国語のまま理解できるのはおもしろさが違うんです。
やっぱり字幕では字数に限りがあるので、全てを訳すことはできません。
また、文化や生活に根ざした内容や、ギャグや流行語のような背景まで、字幕だけで伝えるのはどうしても難しい。
それがわかるってことがおもしろくて、うれしかったんですよね。
監督や俳優のインタビューなどもそのまま理解できることが、なんだか不思議な感じ…
字幕で見てもおもしろいけど、「実はもっとおもしろいんだよ~!」ということを伝えたくて、ブログに書くようになりました。
『愛の不時着』『梨泰院クラス』がブームになってから、多くのメディアが韓国作品をとりあげるようになりましたよね。
その中でも、他にはない情報をわかりやすくお伝えしたいと心がけています。
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