韓国に移住して必然的に韓国映画をたくさん見るようになりましたが、韓国映画にしては珍しい雰囲気の映画がこれから紹介する『男と女』です。
コン・ユ初の正統派恋愛映画、それに演技派のチョン・ドヨンが演じるからには熱く激しい内容なんじゃないか…なんて勝手に想像していたんですが、ちょっと予想していたのとは違いました。
でも、結婚している立場としては共感できるところもあり、人によっては深く心に刺さる映画なんじゃないかと。
それでは、『男と女』の感想と見どころをネタバレなしでお伝えします!
夜、お酒を飲みながら見たい映画だよ
『男と女』あらすじと作品情報
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2016 / 115分 / PG12 |
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原題 | 남과 여(男と女) |
監督 | イ・ユンギ |
出演 | チョン・ドヨン、コン・ユ |
あらすじ | 場所はフィンランドのヘルシンキ。子供の国際学校で偶然出会ったサンミン(チョン・ドヨン)とギホン(コン・ユ)は、離れたキャンプ場に同行することに。 大雪で道路が閉鎖され、仕方なく足止めされた二人は、誰もいない森の中の小屋で抱き合い、名前も知らないまま別れて終わるはずだった。 8ヶ月後のソウル。サンミンの店の前に突然ギホンが現れた… |
『男と女』感想:ネタバレなし
まるでヨーロッパ映画を見たような気分になりました。
韓国映画は全般的にセリフも多く、笑いや涙、感情を刺激してインパクトが強いものが多いんですが、この『男と女』はセリフもそこまで多くなく、ヘルシンキやソウルの風景と共に日常を切り取っていて、映像がとてもきれいです。
けっこう露出が多いわりには、きれいでいやらしくありません。
慣れない外国、ヘルシンキの広い土地で過ごす様子は、寂しさ、孤独を強く感じさせられて、家族といながらも心が空っぽになってしまっている主人公たちにぴったりでした。
余白が多く、それゆえに男と女のゆれる感情を見る人それぞれの解釈で感じられるのがいいんです。
美しい情景を見ながらも、私たちも彼らのかかえている現実問題に共感し、「もし自分だったら…」と考えてしまうでしょう。
結婚している人、子供がいる人は特に。
この『男と女』はすごい泣けるとか、すごいおもしろいとか、はっきりした映画ではないんですが…、単なる不倫の話ではなく、この状況だったらおかしくないかも…と主人公の立場に共感できる映画でした。
見どころ解説
コン・ユとチョン・ドヨンの演技力
日本ではあまりチョン・ドヨンは知られていないかもしれませんが、韓国では俳優たちが尊敬し、共演することを光栄に思うような超実力派。
『シークレット・サンシャイン(2007)』で第60回カンヌ映画祭女優賞を受賞しています。
コン・ユもチョン・ドヨンとの共演だし、してみたかった正統派の恋愛映画ということですぐにOKしたそう。
セリフより余白が多いこの映画で、この2人の演技、特に表情で語っているのがよく伝わってきます。
コン・ユは『82年生まれ、キム・ジヨン(2019)』でも夫役を演じていますが、この時は体を特に作らずにややふっくらしたままにしたそう。
今回の『男と女』ではその時より引き締まった体がチラッと見られ、顔もちょっとやつれた感じに見えます。
2人とも最後の演技が特によかったです。
セリフはないんだけど、目が語ってるよ
男と女の違いと結末
女はその愛に進むかどうか慎重で、男は火がついたらなりふり構わない。
もちろん個人個人の違いはあるにしても、男女の考え方って違いますよね。
そんな男女の違いを考えさせられる映画です。
特に結末。
男女の価値観の違い、どちらもわかる~と思いつつ、男女で意見が分かれるところです。
私もやっぱり女性の方に共感。
いっしょに見た人と、もしパートナーだったらなおさら、結末について意見が分かれるかもしれません。
ケンカしないでね…
- 大人のラブストーリーが見たい人
- 落ち着いた雰囲気の映画が見たい人
韓国での評価
観客数:20万人と興行的にはやや少なめ
評価(10点満点):7.56点
好評 |
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不評 |
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人によって感じ方が違うけど、やっぱり結婚している人の方がいろいろ感じるよね
最後に:『男と女』は永遠のテーマ
映画で『男と女』と言えば、クロード・ルルーシュ監督の♪ラララ~ダバダバタ ダバダバタ~♪のフランス映画が一番に思い浮かびますよね。
恋愛映画の名作です。
恋愛映画はなんといってもやっぱり男と女。
ぜひ韓国の『男と女』も楽しんでみてくださいね。
たまにはこういう映画もいいね~