正直、不倫ものやドロドロしたメロドラマはあまり好きじゃないので、普段はほとんど見ません。
それで『夫婦の世界』が韓国で連日話題になっていても、すぐには見なかったんです。
刺激的な展開、R19の演出など、話題はてんこ盛りで、前年ブームとなった『SKYキャッスル~上流階級の妻たち』の記録をぬり替え、ケーブル局の歴代最高視聴率28.4%を記録、ハマる人が続出。
とりあえずどんなものか1話だけ…と思ったのが最後、1話見たらもう止まらない。
なんといってもこの1話がよくできていて、この回だけでもスリリングでおもしろい!
まだ1話なのに、「こんなに展開しちゃっていいの??」と思うほどで、これからどうなっていくのか、好奇心で見るのをやめられなくなってしまうんですが、これはほんの始まりでした…。
この記事では、『夫婦の世界』のネタバレなし感想、簡単なあらすじ、見どころをお伝えします!
週末、朝まで見てしまった…
『夫婦の世界』あらすじと作品情報
放送局 / 放送日 | JTBC / 2020.03.27 ~ 2020.05.16. |
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最高視聴率 | 28.4% |
話数 / 年齢制限 | 16話 / 13+ |
原作 | BBC “Doctor Foster” |
脚本 | ジュヒョン |
キャスト | キム・ヒエ、パク・ヘジュン、ハン・ソヒ、パク・ソニョン、キム・ヨンミン |
簡単なあらすじ | コサン市にある”家庭の愛病院”の副院長ソヌ(キム・ヒエ)は、今も変わらず愛しあっている夫と息子がいて、地域社会でも認められた地位、名声もあり、生活全てが完璧だった。 ある日、夫が風邪をひかないように巻いてくれたマフラーから長い髪の毛1本を見つける。自分のものではない、赤い髪の毛。それから疑いや不安がだんだん大きくなっていく… |
では、さっそく感想だよ!
『夫婦の世界』感想:ネタバレなし
「夫婦って何なのか」
このドラマの中でもこの問いが何度も出てきます。
血が1滴も混ざっていないのに、切っても切れない縁。
深く愛し合った分だけ、憎悪も激しい。
今まで一緒にがんばってきた戦友であり、いったん裏切られたら一番の敵にもなる。
そんな夫婦の世界をえぐり出し、なんとも説明しがたい心理がとてもよく表現されていました。
たとえ不倫や離婚を経験したことがなくても、その心理が痛いぐらい伝わってくるので、経験した人(自分でなくても両親でも)にとってはちょっとつらいかも…。
見ているうちに、「なんでそんなことするの!?」とか、「なんだあの〇は!」とか思いつつも見てしまう。
そして1話見終わるごとにぐったりするほどの内容の濃さ。
正直、いい話ではないんですが、このドラマはただドロドロギャーギャー騒ぐ不倫劇ではなくて、
サスペンス・ホラー調でスピード展開しつつも、悲しみや寂しさなどのスローな心情描写もしっかりあって、緩急ついた演出のクオリティが高いんです。
いろいろな面で引き込まれるドラマでした。
夫婦ってすごい縁だよね…
見どころ解説
サスペンス調の心理劇
”不倫”という主題であっても、相手を追っていく過程やその心理描写がサスペンス調で引き込まれてしまいます。
静かにでも確実に何かが変わっていく。
そのサスペンス調な感じがとてもよく、時にはホラーのような恐ろしさ、怖さもあります。
そして、最後までどうなるかわからない。
きっと1話を見たら、最後を見届けるまで落ち着かなくなるはず。
俳優の演技力
主人公のソヌは医者で、聡明で冷静沈着な性格なんですが、ある日から突然、猜疑心や不安がどんどん大きくなっていきます。
最初は幸せいっぱいの笑顔だった彼女が、うなだれ、泣き、わめき、恐れ、脅したりと、天と地のように違う表情、演技に圧倒…。
共演している俳優たちも同様で、この刺激的なストーリーを消化するのは本当に大変だったようです。
ソヌの隣人であるイェリムを演じた女優パク・ソニョンはトーク番組で、ストレスで毛が抜けたと告白。夫を演じたキム・ヨンミンを見ると叩きたくなったというほど。
また、不倫相手を演じたハン・ソヒは、ある山場のシーンの撮影の日、朝から吐きそうだったとも。
これだけのプレッシャーの中、役になりきった俳優たちもすごいですよね。
そして特筆すべきは夫役のパク・ヘジュン。
このドラマのキャラクターがもう板についてしまって、彼を憎たらしく思う視聴者が続出しましたが、『ミセン』や『アスダル年代記』など他の作品では全く違う性格の役割を見事にこなしていました。
そのイメージが違いすぎて、今までかなり好感を持った俳優だったのに、『夫婦の世界』での彼が同一人物だとわかったのは、ドラマを見終わってかなりたってからでした…。
主人公のキム・ヒエはもちろん、他の俳優たちも若く見えるので、実年齢を知るとびっくり!
- キム・ヒエ(主人公) 1967年生まれ
- パク・ヘジュン(夫) 1976年生まれ
- パク・ソニョン(隣の友人) 1976年生まれ
- キム・ヨンミン(友人の夫) 1971年生まれ
キム・ヨンミンが気になる俳優で急上昇!『愛の不時着』にも出てるよ
リアルすぎる演出
演技力もさることながら、演出、編集も見ていておもしろかったです。
ただリアルすぎるがゆえに、とある暴力シーンでは加害者目線のVRのような映像が議論になりました。
確かにこんな映像は初めて見ました…。
被害者の恐怖にふるえる顔がすごいインパクト…
感情をゆさぶられる音楽
このドラマの作品性が高い要因の一つが音楽といってもいいでしょう。
場面とシンクロする印象的なOST(日本でいうBGM)がドラマを見終わったあとも、頭に残ります。
OSTの代表曲はタイトルを見てもドラマの内容がわかりますね。
どの歌手もバラードの名手。
- 孤独な航海 / キム・ユンア
- Nothing On You / Josh Daniel
- Sad / ソン・スンヨン
- そのまま僕を捨ててください / ハ・ドンギュン
- 涙で君と別れる / ホガク
- 愛した日々 / ペク・ジヨン
特に1のトラックがこのドラマっぽくて好きなんですが、MV(Music Video)を見るとネタバレになってしまうので、後半によく流れていた6番、韓国で”涙の女王”と言われるペク・ジヨンの曲を紹介します。
こちらも少しだけ、1:50まで見てくださいね。それ以上みたらネタバレになっちゃいます。
音楽を担当したのは『太陽の末裔』、『椿の花咲く頃』、『SKYキャッスル』などの多数のドラマを担当し、ヒットさせた音楽監督ケミ。
センスのいいファッション
主人公が病院の副院長という地位とエレガントさをそなえた、かなりハイセンスなファッションが楽しめます。
コートだけでも何十着あったんでしょう?
色や形も様々で、知的でシンプルエレガントなコーディネート。
バックや靴、スカーフなどの組み合わせも楽しめます。
周囲の人たちも富裕層が多いので家のインテリアもおもしろいよ
- サスペンス・スリラー系が好きな人
- 刺激的で中毒的なドラマが好きな人
- 連休などで一気に見れる時間がある人
『夫婦の世界』原作と日本リメイク
このドラマには原作とリメイクがあるので、比べてみるとさらに楽しめます!
原作『女医フォスター 夫の情事、私の決断』
イギリスのBBCドラマ”Doctor Foster”が原作。
邦題は『女医フォスター 夫の情事、私の決断』で、2015年にシーズン1、2017年にシーズン2がそれぞれ5話で公開されています。
この原作のシーズン1、2を『夫婦の世界』では一気に全16話で見せてくれます。
韓国版は、原作の内容にほぼ忠実に作られていますが、多少の違いがあるので、それを比較するのもおもしろいですよ。
リメイク『夫婦が壊れるとき』
BBCドラマ”Doctor Foster”は韓国だけでなく、実はフランス、トルコ、フィリピン、インドネシアなどでもリメイクされています。
その中でもとりわけヒットしたのが韓国版なのですが、2023年、日本でもリメイク版が放送されました。
主演は稲森いずみ、吉沢悠、優希美青。
それぞれのお国柄がでるので、比べて楽しんでみてくださいね。
これだけリメイクされるのもすごいよね
最後に:一気に見てしまった『夫婦の世界』
最近は本当に韓国ドラマのクオリティがとても高いのを実感…。
特にこの『夫婦の世界』は最初からR19で、演出も新しい試みをしていておもしろかったです。
いや~それにしても、不倫の話とわかっていながらどうして見ちゃうんでしょうね…
でも見てよかったです。
どうしてこれだけ話題になったのか実感できてスッキリしました。
少しでも気になったら、ぜひ見てみてくださいね!
特に30~50代が共感しそうな大人のドラマだよ