韓国を代表する超豪華、最強キャストが共演することで、数年前から話題になっていた期待作。
さっそく、『非常宣言』を見た感想、見どころ、キャスト、韓国での評価をネタバレなしでお伝えします!
『非常宣言』あらすじと作品情報
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2022 / 140分 / G |
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原題 | 비상선언(非常宣言) |
監督 | ハン・ジェリム |
出演 | ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ドヨン、キム・ナムギル、イム・シワン、キム・ソジン、パク・ヘジュン |
あらすじ | ベテラン刑事のインホ(ソン・ガンホ)は、飛行機テロの予告情報を捜査中、容疑者が実際にKI501便に乗っていることを把握。 一方、飛行機恐怖症であるにもかかわらず、娘の治療のためにハワイに行くことにしたジェヒョク(イ・ビョンホン)は、周りをうろついて、変な話をする不審な人物が気になっていた。 この仁川からハワイへ向かって離陸したKI501便で、原因不明の死者が出たニュースを聞いた国土部長官スクヒ(チョン・ドヨン)は、対テロセンターを設置し、飛行機を着陸させる方法を見つけるために緊急会議を招集するのだが… |
『非常宣言』感想:ネタバレなし
見終わった率直な感想は、これぞ夏休みの超大作映画。
まるでジェットコースターに乗ったような映像と、コロナや9.11なども想起させるような災難映画の王道。
(コロナ前から撮影を始めてたそうですが、だんだん状況が似てきたという…)
一方で、豪華キャストが多すぎて、もっと演技を見たかった!充分な見せ場が足りなくてもったいなかった…です。
いろんな要素が多くてやや散漫ぎみ、正直エンディングに現実味はないんですが、特に前半の緊迫感と早い展開がおもしろく、引き込まれるはず。
娯楽として映画館や大画面で見るのがおすすめです。
次は見どころだよ!
見どころ解説
まるでVRのような映像体験
自分がまるでジェットコースターに乗っているような感じで、その場を体験してるような映像がすごかった!!!
ネタバレになっちゃうので詳しくは書きませんが、何か所か「うわあ~~~~!!!」っていう映像があって、ちょっと頭がクラクラするほどでした。
(映画見終わった後、甘いものを飲まずにはいられなかった)
今までいろんな映画を見てきましたが、このアングル、迫力は特筆すべきもので、あるようでなかった映像体験。
コロナでここ最近は飛行機に乗っていなかったのもあり、なんだか飛行機に乗るのがちょっと怖くなりました…。
映画館の大スクリーンで見るとすごいよ!
何度もくる山場
最初からもう危機がどんどん迫っている不穏な様子から始まり、それがなんだかジェットコースターが走り出す前にだんだん上に上がっていくような緊張感。
それから次々と異変が起き、事件が大きくなっていくんですが、BGMとともに山場がきて、ちょっと落ち着いたかと思ったら、また山場、ちょっと落ち着いて終わりっぽいけど「えっ、これで終わりじゃないよね…」と思ってたらやっぱりまだ山場があって、
手綱を緩めたり、締めたり、感情を思いっきり好きなようにコントロールされてるようでした…。
ちょっと中だるみしたところもありましたが、山場がいくつもあるのは期待どおり!
エンディングはちょっと物足りなかったかな…
- ハラハラする迫力ある娯楽映画を見たい人
- 韓国の豪華キャストを見たい人
豪華すぎるキャスト
「もっと出番を見たかった」と思ってしまう消化不良感はありますが、それでもこれだけの最強キャストが共演するというのは、やっぱり魅力ですね。
それぞれ他の作品で共演したことがある組み合わせもあり、映画ファンにとっても、韓国ドラマファンにとっても、楽しみの一つには違いありません。
刑事インホ役(ソン・ガンホ)
日本でも、もうソン・ガンホを知らない人はいないんじゃないでしょうか。
アカデミー賞4冠の『パラサイト 半地下の家族』の主演、是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』では、カンヌ映画祭で男優賞も受賞。
本作でもかなり幅のある演技を見せてくれました。(脚本にやや詰め込みすぎ感はあるけど…)
その他、ヒット&受賞作品多数。
<映画>
- 『ベイビー・ブローカー(2022)』
- 『パラサイト 半地下の家族(2019)』
- 『タクシー運転手 約束は海を越えて(2017)』
- 『密偵(2016)』
- 『弁護人(2013)』
- 『観相師-かんそうし-(2013)』
- 『シークレット・サンシャイン(2007)』
- 『グエムル-漢江の怪物-(2006)』
- 『殺人の追憶(2003)』
- 『JSA(2000)』
イ・ビョンホンとは『密偵』、『JSA』で、チョン・ドヨンとは『シークレット・サンシャイン』で共演してるよ
>>『パラサイト 半地下の家族』ネタバレ解説 総まとめ!メタファー・伏線13個を徹底考察~
乗客ジェヒョク役(イ・ビョンホン)
ハリウッドに進出して、世界的に知られているのがイ・ビョンホン。
最近では、『イカゲーム』、『私たちのブルース』、特に映画『KCIA 南山の部長たち』の演技が見ごたえありました!
本作でも得意の英語を充分に発揮していましたよ。
<映画>
- 『KCIA 南山の部長たち(2019)』
- 『白頭山大噴火(2017)』
- 『インサイダーズ/内部者たち(2015)』
- 『ターミネーター:新起動/ジェニシス(2015)』
- 『王になった男(2012)』
- 『G.I.ジョー(2009)』
<ドラマ>
- 『私たちのブルース(2022)』
- 『イカゲーム(2021)』
- 『ミスター・サンシャイン(2018)』
- 『IRIS -アイリス-(2009)』
- 『オールイン 運命の愛(2003)』
- 『美しき日々(2001)』
などヒット作&受賞多数。
日本では元祖・韓流四天王だよね
>>『KCIA 南山の部長たち』感想:張り詰めた緊張感にシビれる – 大統領暗殺事件
国土部長官スクヒ役(チョン・ドヨン)
ソン・ガンホがカンヌで男優賞を受賞するよりもっと前、2007年に『シークレット・サンシャイン』でカンヌ映画祭女優賞を受賞したのが、チョン・ドヨン。
韓国でも演技派女優といえば一番に名前が挙がるほど受賞歴多数。
でも本作では、その演技力の見せ場がなくて正直もったいなかったです…(この役を彼女がする必要がなかったような)
彼女の演技は、ぜひ他の作品で堪能してくださいね!
<映画>
- 『藁にもすがる獣たち(2020)』
- 『君の誕生日(2019)』
- 『無頼漢 渇いた罪(2015)』
- 『男と女(2016)』
- 『素晴らしい一日(2008) 』
- 『シークレット・サンシャイン(2007)』
- 『ユア・マイ・サンシャイン(2005)』
<ドラマ>
- 『人間失格(2021)』
- 『グッドワイフ〜彼女の決断〜(2016)』
- 『プラハの恋人(2005)』
イ・ビョンホンとは『メモリーズ 追憶の剣』で、キム・ナムギルとは『無頼漢 渇いた罪』でも共演してるよ
副機長ヒョンス役(キム・ナムギル)
キム・ナムギルも登場シーンが少なくて、本当にもったいない!(もっと見たかった~)
それでも、もっとこの人の深い話を知りたいと思わせる演技でした。
セクシーなナムギルが見たければ、映画『無頼漢 渇いた罪』を、おもしろいナムギルなら、ドラマ『熱血司祭』(SBS演技大賞を受賞)がおすすめです!
<映画>
- 『クローゼット(2020)』
- 『感染家族(2019)』
- 『殺人者の記憶法(2017) 』
- 『パンドラ(2016)』
- 『無頼漢 渇いた罪(2015)』
- 『パイレーツ(2014)』
<ドラマ>
- 『悪の心を読む者たち(2022)』
- 『熱血司祭(2019)』
- 『サメ〜愛の黙示録〜(2013)』
- 『赤と黒(2010)』
『無頼漢』はチョン・ドヨンの演技もすごいよ
>>『無頼漢 渇いた罪』ネタバレ解説:ハードボイルドメロでキム・ナムギルの新境地
乗客ジンソク役(イム・シワン)
アイドルグループ「ZE:A」のメンバーでありながら、映画『弁護人』で主演のソン・ガンホが彼の演技を絶賛するほどの演技で実力を認められたイム・シワン。
その後、ドラマ『ミセン~未生~』で百想芸術大賞の男性新人演技賞など、多くの賞を受賞し、俳優の地位を不動にしました。
本作は予告編でもわかるように悪役。しかも不気味。
最近は『スマホを落としただけなのに』でも悪役で、サイコパス演技に磨きがかかっています。
<映画>
- 『スマホを落としただけなのに(2023)』
- 『名もなき野良犬の輪舞(2017)』
- 『ワンライン(2017)』
- 『戦場のメロディー(2016)』
- 『弁護人(2013)』
<ドラマ>
- 『それでも僕らは走り続ける(2020)』
- 『王は愛する(2017)』
- 『ミセン~未生~(2014)』
- 『トライアングル(2014)』
- 『太陽を抱く月(2012)』
やっぱり『ミセン』がよかったな
>>韓国映画『スマホを落としただけなのに』日本版とどこが違う?プラムの意味は?比較と解説
チーフパーサー ヒジン役(キム・ソジン)
映画『ザ・キング』の検察官役で、この年の青龍映画賞、百想芸術大賞、大鐘賞の女優助演賞を全て受賞したのがキム・ソジン。
本作でもそうですが、芯のある役柄がピッタリですね。
<映画>
- 『モガディシュ 脱出までの14日間(2021)』
- 『KCIA 南山の部長たち(2019)』
- 『未成年(2019)』
- 『麻薬王(2018)』
- 『工作 黒金星と呼ばれた男(2018)』
- 『アイ・キャン・スピーク(2017)』
- 『ザ・キング(2017)』
ソン・ガンホと『麻薬王』で、イ・ビョンホンとは『KCIA 南山の部長たち』で共演してるよ
>>韓国映画『モガディシュ』どこまで実話か調べたら、事実は映画よりもすごかった!
危機管理センター室長テス役(パク・ヘジュン)
パク・ヘジュンこそ、本作で見せようにも見せ場がなくてもったいなかった…。
韓国では『愛の不時着』や『梨泰院クラス』以上に一大センセーションを起こし、ケーブル局の歴代最高視聴率28.4%を記録したドラマ『夫婦の世界』で強烈な主役を演じました。
<映画>
- 『第8日の夜(2021)』
- 『不思議の国の数学者(2020)』
- 『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人(2019)』
- 『がんばれ!チョルス(2019)』
<ドラマ>
- 『夫婦の世界(2020)』
- 『アスダル年代記(2019)』
- 『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜(2018)』
- 『ミセン~未生~(2014)』
ソン・ガンホ主演の『ベイビー・ブローカー(2022)』にも特別出演してるよ
>>『夫婦の世界』感想:1話みたら止まらない!サスペンス調の不倫劇~ケーブル最高視聴率
韓国での評価
観客数:205万人
評価(10点満点):観客 6.35点、記者・評論家 6.27点、ネチズン 6.46点
かなり辛口なんですが、これだけのキャストがそろっていながら、観客数も少なすぎるな…と思っていたら、
映画「非常宣言」の配給会社であるSHOW BOXが、ネガティブな口コミが意図的に拡散された状況についてコメントした。
SHOW BOXは21日、「我々は映画『非常宣言』が公開された翌日から、様々な情報提供を受け、『非常宣言』についてインターネット上で悪意のあるコメントが特定の方式で拡散されているという情報を得た」とし「情報提供された内容が一貫しており、信頼できるという判断の下、『非常宣言』の公開前後である約1ヶ月間にわたり、インターネット上に掲載された様々なコメントと評点などを確認する過程を経た」と明かした。
出典:映画「非常宣言」に対するネガティブな口コミが意図的に拡散?SHOW BOXが警察に捜査を依頼
現在、ソウル警察庁に調査を依頼している状況だそう。
まだ、詳細はわかりませんが、過度なネガティブコメントが多いかもしれないので、そこは加味して見てください。
好評 |
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不評 |
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辛口な評価は多いけど、けちょんけちょんに言うほど悪くないよ
最後に:これから『非常宣言』を見る方へ
韓国ではいろいろありましたが、それだけ期待を集めていた作品だったからでしょう。
どちらにしてもブロックバスターという言葉がピッタリの映画なので(結果は伴わなかったけど)、娯楽として楽しむのがおすすめです!