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『哭声/コクソン』感想:見たくても怖すぎて見れなかった韓国ホラーの最高峰

『コクソン』スチールカット
出典:NAVER 영화:곡성

韓国では2016年に公開されて大ブームになった『哭声/コクソン』

私は怖いのが苦手なので、見たくてもずっと見ることができませんでした…。

そして6年たって、ついに見てしまいました!!!

こんな方へおすすめ
  • 怖い映画が好きな方
  • 思いもよらない展開、刺激を求めている方
  • 真実は何か、考察好きな方

これは、ただのホラー映画ではありません。

『哭声/コクソン』を見た感想、見どころを、どれくらい怖いかもわかるようにお伝えします!

パンダ夫人

一人じゃ怖くて、パンダ夫にいてもらったよ…

主な受賞歴
  • 第53回 百想芸術大賞(映画作品賞)
  • 第53回 大鐘賞映画祭(新人女優賞、撮影賞、編集賞、照明賞、録音賞)
  • 第37回 青龍映画賞(監督賞、助演男優賞、音楽賞、人気スター賞、編集賞)
この記事を書いた人
  • 韓国在住10年
  • 韓国ドラマ、映画三昧
  • 映画・ドラマのエキストラ経験あり
  • 映画をテーマに卒論執筆

プロフィール

パンダ夫人
目次

『哭声/コクソン』あらすじと作品情報

『コクソン』poster
出典:NAVER 영화:곡성
公開 / 時間 / 年齢制限2016 / 156分 / R15
原題곡성(哭聲)
監督ナ・ホンジン
出演クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼、チョン・ウヒ、キム・ファニ

韓国の南西部に「谷城(コクソン)」という実在する地域があり、そこが舞台となっています。

地名である「谷城(コクソン)」と、泣き叫ぶという意味の「哭声(コクソン)」がかけられてタイトルとなっていますが、なんとナ・ホンジン監督の祖母の故郷で、監督も幼い頃よく行った場所でもあります。

何の変哲もない田舎の村、谷城(コクソン)。その村の中で、村人が家族を惨殺する事件が立て続けて発生する。容疑者にいずれも動機はなく、幻覚性の植物を摂取して錯乱したための犯行と発表されたが、謎の発疹を発症するなど説明しきれない不可解な点が多く残っていたことから、いつしか、村人たちの中では山中で暮らす謎の日本人が関わっているのではないかとささやかれはじめる。

出典:哭声/コクソン-Wikipedia

とまあ、ここまでは普通にありそうな感じなんですが、ただのホラー・恐怖映画に惹かれることのない私が見たくなる理由はそこからの展開なんです。

パンダ夫人

怖いけど、おもしろいよ…

『哭声/コクソン』感想:ネタバレなし

もう最初から怖い雰囲気にやられます。青みがかった景色に、しとしと降る雨、そして血みどろの猟奇的事件。この先どうなっちゃうんだろうと。

どうしてこんなことが起こっているのか、何が原因なのか、よくわからない。

よくわからないからこそ、疑いが生まれ、じわじわ得体の知れない怖さがせまってくる。

悪霊は誰なのか?

最後の最後まで、見ているこっちも「自分は間違っているのか?」と疑うほど、何回かどんでん返しがあり、なんだか哲学的に考えさせられるんです。

何が悪で、善なのか…

ただ過激で残虐なホラーではなく、精神を揺さぶって、最後に「どう思う?」と観客に問いを投げる映画だから、こんなにおもしろいんですね。

これまた、いろんな解釈ができるように、よくできてるんですよ!

怖がりな私でも、怖さよりも、「これはどういうこと?」と考えることに夢中になるほど。

実はところどころ笑えるところもあったりして、ここは笑うところなのか、「???」な感じもありつつ、ちょっと息抜きできました。

個人的にホラーは好きじゃないんですが、この映画のキリスト教+シャーマン的な土着信仰の世界観がよくできていて、美術も超リアル。

俳優の演技もまるで憑依したかのようで、儀式の踊りとか、子役の金切り声とか、そして國村さんの存在感もすごかったです。

単にホラー映画でくくってしまうのはもったいない映画です。

『哭声/コクソン』サムネイル

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見どころ解説

自分の価値観が揺らいでしまう

キャッチコピーが「疑え。惑わされるな。

でも惑わされちゃうんですよね…

見ている人全員がだまされてしまうほど、何が真実だかわからなくなる

『コクソン』スチールカット
出典:NAVER 영화:곡성

最終的に結末がはっきりしておらず、いろんな解釈ができるようになっているので、「これはどういうことなんだ!?」と誰もがこの結末を考えざるをえない。

韓国でも謎解きにハマる人が続出しました。

パンダ夫人

ハマって3回見に行った人もいるよ~

どんでん返しのどんでん返しのどんでん返し。自分が考えていたことは全部ひっくりかえされた。

新鮮な衝撃だった映画。数年経っても余韻が残る傑作。

内容をミステリーで最高潮に引き上げておいて、何の説明もなしに大どんでん返しって…。

私たちが信じていることは善なのか、悪なのか…。

出典:NAVER 영화:곡성
パンダ夫人

見る人によって解釈も変わるよ…

土着的 × 宗教的 × 精神的な怖さ

まずこの映画の雰囲気をつくっているこの村の寂れた感じ、重く暗い空気、雨。

それに猟奇的な事件

予告編でもわかるように、韓国版のシャーマンともいえる祈祷師も出てくるし、なんとなく『金田一耕助シリーズ』のような土着的な雰囲気もあります。

『コクソン』スチールカット
出典:NAVER 영화:곡성

韓国はかなりキリスト教が普及していて、監督もクリスチャンなのですが、聖書がモチーフとして多々引用されているだけでなく、オカルト的なところもあり、精神的に怖さがじわじわくるんです。

精神的にとても良くない。

絶対見ないでください。後悔します。

本当にトラウマになりました。精神衛生上、とても有害です。

3年経っても怖い。

出典:NAVER 영화:곡성

正直、寝る時の暗闇が怖かったです…。

パンダ夫人

一人じゃ怖いよ~

名演技の俳優陣

この映画に登場する俳優たちは、本当にみんな演技がよく、脇を固める端役の俳優たちも、今やかなりの実力派で「見たことある!」っていう人たちが出演してるので、お楽しみに。

中でも特筆すべきはこの2人でしょう。

國村隼

『コクソン』スチールカット
出典:NAVER 영화:곡성

この映画のキーとなる謎の人物として出演、存在感がすごかったです。

『哭声/コクソン』の人気もありましたが、その中でもとてもインパクトのある役柄だったので、韓国で一気に知られることになりました。

この映画で、韓国で最も権威ある「青龍映画賞」で外国人として初めて賞をもらいました。しかも2つ!

國村隼の青龍映画賞タイトル
  • 男優助演賞
  • 人気スター賞
パンダ夫人

最後の場面は名シーンだよ!

ファン・ジョンミン

『コクソン』スチールカット
出典:NAVER 영화:곡성

この人が出ている映画はほぼハズレなしで、多くのヒット作があります。

いつも一癖も二癖もある役をこなして七変化するファン・ジョンミンですが、今回は祈祷師。

特に振りとか教わったものじゃないようですが、その乗り移ったかのような演技、風貌は圧巻でした。

ファン・ジョンミンの代表作
  • 『新しき世界(2012)』
  • 『国際市場で逢いましょう(2014)』
  • 『ベテラン(2015)』
  • 『華麗なるリベンジ(2015)』
  • 『アシュラ(2016)』
  • 工作 黒金星と呼ばれた男(2018)』
  • 『ただ悪より救いたまえ(2019)』
  • 『ナルコの神(2022)』ドラマ
パンダ夫人

ちょっと変わった役でおもしろかった~!

他にも主演であるこの3人も忘れられません。

クァク・ドウォン

『コクソン』スチールカット
出典:NAVER 영화:곡성

主役の警察官役を演じたのがクァク・ドウォン。

『悪いやつら(2012)』、『無頼漢 渇いた罪(2015)』、『アシュラ(2016)』、『KCIA 南山の部長たち(2020)』などノワール映画のイメージが強いですが、今回は娘思いの父親。

彼のリアクション演技がすごくいいんです。

だからこそ、怖さが増し、視線集中することになって、ホラー映画に適役なんじゃないかと。

パンダ夫人

表情でこっちも怖さ倍増…

キム・ファニ

『コクソン』スチールカット
出典:NAVER 영화:곡성

主人公の娘役を演じた子役キム・ファニは、韓国のアカデミー賞といわれる「大鐘賞」で新人女優賞を獲得。

ものすごく強烈な演技で話題になりました。

パンダ夫人

精神的に大丈夫かな?と心配しちゃうほど…

チョン・ウヒ

『コクソン』スチールカット
出典:NAVER 영화:곡성

この映画では、ちょっと難しい役どころだったんですが、それだけに存在感のあるチョン・ウヒでなければならなかったのでしょう。

映画『母なる証明(2009)』、『サニー 永遠の仲間たち(2011)』、『ハン・ゴンジュ 17歳の涙(2013)』、『愛を歌う花(2016)』、『雨とあなたの物語(2021)』、ドラマ『恋愛体質〜30歳になれば大丈夫(2019)』など。

パンダ夫人

狂気も感じる女優さんだよね

『哭声/コクソン』はどれぐらい怖い?

怖がりな私の視点ですが、同じように「怖くて見るのどうしようかな?」と思っている方の参考になれば幸いです。


正直、血だらけです…いろんなところに飛び散ってます
グロさ
オカルトっぽさあり、個人的には虫など目をそらしてしまうところあり
ドッキリ
ときどき、ちょっとビックリするところはあるが、そこまでではない
残虐シーン
実は殺人シーンなど、行為そのものは見せていない

映画の雰囲気、そのシーンの異様さなどで怖い感じがするものの、実は殺人シーンなどの行為は写っていないんです。

だいたいはその事件が起こった後を見せていて、血だらけですごいことにはなっているので、その残虐さは伝わってくるんですが、怖さを直接的に見せるというより、想像でじわじわくる感じ。

個人的には、行為自体は『ゲーム・オブ・スローンズ』の方がよっぽど残虐だと思われ、ここ数年でゾンビものをたくさん見てきたので、免疫がついたのかもしれません。

パンダ夫人

ゾンビものを見られる人は大丈夫かも?

怖さを引き起こすのはリアルすぎる美術

『コクソン』スチールカット
出典:NAVER 영화:곡성

『哭声/コクソン』の怖さはそのリアルすぎる美術によるもので、まるで本物の現場に居合わせてしまったかのような空気感にあります。

ここに写真をのせるのも何となく怖くて、気が憚られた「祭壇」だったり、「儀式の跡」だったり、そうした現場、シーンの美術一つ一つがすごい。

『コクソン』スチールカット
出典:NAVER 영화:곡성

例えば、このおんぼろの家も、この寂れた感じ、軒下に無造作に置いてある物とか、壁のつぎはぎとか、そうしたものどれをとってもすごくリアルなんです。

その異様な空気をかもしだす、リアリティゆえに怖く感じてしまうんですね。

パンダ夫人

それに臨場感ある演技があるから、なおさら!

『哭声/コクソン』サムネイル

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最後に:ただ怖いだけじゃない『哭声/コクソン』

『哭声/コクソン』のおもしろさは、何が真実か、見る人によって変わってしまう解釈の謎解きです。

ぜひ、見た方は自分なりの解釈を考えてみてくださいね!

パンダ夫人

いろんな人の考察を読むのもおもしろいよ~

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