ソン・ジュンギとキム・テリ主演でよさそうだけど、
初めてのSF映画大丈夫かな…
Netflixで公開後、世界で映画1位だって
韓国初の宇宙映画『スペース・スウィーパーズ』はコロナ禍の影響で劇場公開を断念、Netflixで独占配信されています。
おもしろいことに、日本と韓国での反応がけっこうちがうんですよね。
もちろん、人によっても反応が様々…。
それでは、『スペース・スウィーパーズ』を見た感想と見どころを、ネタバレなしでお伝えします!
『スペース・スウィーパーズ』あらすじと作品情報
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2021 / 137分 / 16+ |
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原題 | 승리호(勝利号) |
監督 | チョ・ソンヒ |
出演 | ソン・ジュンギ、キム・テリ、チン・ソンギュ、ユ・ヘジン |
あらすじ | 2092年、地球では砂漠化と土壌の酸性化で植物が育たなくなり、宇宙開発企業UTSが衛星軌道に人類の新しい住居を建設。そこに住めるのは一部の選ばれた市民のみ。非市民は地球に残されたままで、宇宙のゴミを回収する労働者などとして働いていた。 お金になることなら何でもする操縦士”テホ”(ソン・ジュンギ)、過去に宇宙海賊団を引っ張っていた”チャン船長”(キム・テリ)、麻薬組織のボスだったが、今では機関士の”タイガーパク”(チン・ソンギュ)、叶えたい夢があるロボット”バブス”(ユ・ヘジン)、彼らは宇宙ゴミを拾ってお金を稼ぐ「勝利号」の船員。 ある日、壊れたスペースシャトルを回収した「勝利号」は、その中に隠れていた大量破壊兵器である人型ロボット”ドロシー”を発見する。お金が必要な船員たちは”ドロシー”を巨額のお金と引き換えに危険な取引を計画するが… |
『スペース・スウィーパーズ』感想:ネタバレなし
一体どんな映画になるのか、期待半分、心配半分で見たんですが…、
ハイテクな未来の宇宙と安っぽい下町が混ざった感じで、世界観がちぐはぐ、いまいち話に入り込めませんでした。
特に前半は宇宙船の中にいても、金に苦心する人たちの世知辛い生活を見せられるので、宇宙が舞台ではあるものの、これじゃあほとんど下町じゃないか!と思ったぐらい。
外国人キャストも多く、未来の宇宙生活も見られるんですが、韓国人の主人公たちの武器や戦い方がなんともアナログっぽくヤクザな感じ。
壮大な宇宙でスペースシップに乗って、英語圏の宇宙映画と韓国ノワール、いや人情ドラマが戦ってるような図…。
私が好きな映画が『2001年宇宙の旅』や『インターステラー』なので辛口すぎるのか、韓国に住んでいるから見方がちがうのか、設定が未来であっても、宇宙空間で今現在の日常に引き戻される気分。
別に宇宙じゃなくても似たようなストーリーはあるので、宇宙が舞台ならもっと大きな話を描いてほしかった…。
でも、逆に考えると、いかにも韓国らしいSF映画ともいえ、例え舞台が宇宙でも、人間味あふれる等身大のドラマを見せてくれたともいえます。
ある意味、新鮮。
話の要素がちょっと多すぎて散漫気味、ところどころ説明不足で話に乗り切れなかったのが残念ではありますが、変わり果てた地球の様子やVFXはおもしろかったので、そこをもっと見たかったです。
ラスト、あのまま終わっていた方がむしろ印象に残ってよかったんじゃないかーと個人的には思いますが、ここは見てのお楽しみに~。
韓国での評価
評価(10点満点):ネチズン 7.81点 記者・評論家 7.08点
好評 |
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不評 |
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日本では意外と評価がよくてびっくりしたんですが、韓国の方はけっこう厳しいです…。
高評価の人でもストーリーが惜しかったという人が多く、とはいえ初めての試みであること、VFXを評価する声が多かったです。
感想は人それぞれだね
鑑賞ポイント
見ごたえあるVFX(視覚特殊効果)
映画『神と共に』、ポン・ジュノ監督の『グエムル-漢江の怪物-』などを手がけてきた韓国のメジャーなCG会社が集結して作ったのが本作『スペース・スウィーパーズ』。
韓国映画では見たことのない宇宙と宇宙船内外の戦闘、未来都市のスペクタクルのために作成段階からコンセプトアートを構想し、韓国のVFX会社8社、合計1000人のVFX専門家が参加した。
出典:韓国映画『スペース・スウィーパーズ』、ネットフリックス公開直後に1位
製作費240億ウォン=約22.6億円と聞いてもピンとこないですが、『インターステラー』が約165億円、7倍以上もの費用をかけていることを考えると、
この製作費で、しかも韓国国内だけで、これだけのVFXが見せられるのはすごいんじゃ…と思えてきませんか?
飛行機感覚で宇宙ステーションへ行く様子や、気候変動で砂漠化した地上の姿など見ていておもしろく、(地球が住めなくなった割には宇宙から美しく見えるのはやや疑問ではある…)
後から知ったのは宇宙船のデザインもかなり凝ったものだったということ。
――勝利号をはじめとする宇宙ゴミ清掃船は1980~2000年代に様々な国の車の特徴を盛り込んだ200以種類以上のスタイルを考案した。
チョン・ソンジン「大きなトラックやレッカー車・クレーンの設計を参考にした。未来的なイメージではなく、過去の部品をチューニングして清掃船を完成した。勝利号もあり合わせの部品を拾い集めて強大な船を作った設定だ。徐々にチューニングを加えながら非対称的なイメージが作られた。さらに自動車のようにナンバープレートもある。素朴に見えるかもしれないが、普通のハリウッド映画と異なるポイントの1つだ」
出典:韓国映画『スペース・スウィーパーズ』、ネットフリックス公開直後に1位
正直なところ、宇宙船が戦ってる時、どれがどれだか見分けもつかなかったので、こうしたデザインのおもしろさを全く感じることができなかったのが残念。
これから見る人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
豪華な俳優陣
ソン・ジュンギ
日本でも『太陽の末裔』でよく知られていますが、2019年のドラマ『アスダル年代記』以降、久々の復帰作。
本作も映画『私のオオカミ少年』でいっしょだったチョ・ソンヒ監督ということで、シナリオを読む前から出演を決定するほど、監督を信頼してやりたかったとインタビューで答えています。
金のためならなんでもする、やんちゃなキャラクターですが、どんな過去があり、どう変わっていくかが見もの!
キム・テリ
映画『お嬢さん』で衝撃的なデビューをしてから、『1987、ある闘いの真実』、『リトル・フォレスト 春夏秋冬』、ドラマも『ミスター・サンシャイン』と出演した作品はどれも話題作ばかり!
本作では、頼りになる姉御肌のチャン船長役。また違った彼女の魅力が見られます。
チン・ソンギュ
多くの映画に助演として活躍していましたが、韓国の歴代興行収入1位で観客1600万人を超えた大ヒット作『エクストリーム・ジョブ』で一躍有名になりました。
体を使ったギャグやユーモアがある役が多く、本作でも個性的なキャラクターで楽しませてくれます。
ユ・ヘジン
本作では声のみ、アンドロイドのロボット役がこの方です。
韓国映画好きな人なら声でわかったかも….?『タクシー運転手 約束は海を越えて』、『1987、ある闘いの真実』、『LUCK-KEY/ラッキー』、『ベテラン』など、その特徴ある顔と声で韓国映画には欠かせない俳優さんです。
画面には登場しないものの、声だけでも存在感があり、実際に撮影現場でもみんなをまとめるムードメーカーだったそう。
最後にどうなるか、けっこうおもしろいのでお楽しみに!
多言語で展開するSF映画
映画冒頭から翻訳機をつけているのがわかりますが、これはきっとポン・ジュノ監督の『スノーピアサー』で翻訳機を登場させて、英語と韓国語を共存させたことにヒントを得たんじゃないでしょうか。←勝手な推測
翻訳機を耳につけているので、韓国語、英語、フランス語、ロシア語、中国語…といろんな言語が飛び交ってもおかしくない設定。
今までSF映画といえばほぼ英語だったので、そういった面でも新しく、実際に未来にはこうなっていそうですね。
無理して外国語使うよりいいよね
最後に:新しい挑戦『スペース・スウィーパーズ』
『スペース・スウィーパーズ』、どうでしたか?
賛否両論ありますが、私たちが見慣れているハリウッド作品ではなく、韓国初のSF映画だということ、これだけでも充分すごいんじゃないでしょうか。
ぜひ確かめてみてね~!