どんな人も、自分は決して災害や非常事態にあいたくないし、そういうことがないことを願うはず。
でも、映画で見る災害やモンスターで予想もしなかった状況を経験したり、生還できるかできないか、ハラハラドキドキいろんな感情を感じるのが映画の醍醐味ですよね。
- 私が実際に鑑賞しておもしろかった映画の中から、
- 韓国での評価※が高い順にランキング
※韓国でシェアNo.1の検索エンジンNAVERの数値(昔の映画でも評価・コメントが随時追加)
また、ランキングの番外編では、他にも特筆すべき映画も紹介しているので、最後までチェックしてくださいね!
1位『EXIT イグジット』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2019 / 103分 / G |
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原題 | 엑시트(EXIT) |
監督 | イ・サングン |
出演 | チョ・ジョンソク、ユナ(少女時代)、コ・ドゥシム、パク・インファン |
あらすじ | 大学を卒業してからずっとプー太郎のヨンナム(チョ・ジョンソク)は、母親の古希(70歳)の式場で従業員として働いているサークルの後輩ウィジュ(ユナ)に再会。 ヨンナムは大学の山岳サークルでウィジュに片思いしていたのだった…。ぎこちない再会もつかの間、お祝いも盛り上がりそろそろ帰るという時、突然外から飛んできた爆発物で外の異常事態に気づく。 街は原因不明の有毒ガスで覆われて大パニックになっていた― |
今までのパニック映画とは違う、現代的で笑ってハラハラドキドキする新感覚の映画。
冒頭だけでなく、真剣なところでもちょくちょくコメディ入ってるし、主人公は泣きべそかくし、シリアスな災害映画をみたい人には向かないですが、気軽に見られて楽しめます。(時間もコンパクト)
大都市での有毒ガスはちょっとサリン事件を思い出しますが、ボルダリングでビルを登って逃げるっていうのが新鮮!(ちょっとSASUKEっぽい笑)
手先、足先だけで壁を登っていくのを見てると、ホントに手に汗かきます…。
パニック類 | 有毒ガステロ |
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スペクタクル感 | |
ハラハラ度 | |
涙 |
観客数 |
942万人 |
韓国での評価(10点満点) |
8.99点(投票 4,781人) |
共感が多いコメント |
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YouTuberのライブ配信やドローンが活躍するのも今っぽい
2位『グエムル-漢江の怪物-』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2006 / 119分 / G |
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原題 | 괴물(怪物) |
監督 | ポン・ジュノ(『パラサイト 半地下の家族』) |
出演 | ソン・ガンホ、ピョン・ヒボン、パク・ヘイル、ペ・ドゥナ、コ・アソン |
あらすじ | のどかな漢江(ハンガン)公園の売店で店番をしているカンドゥ(ソン・ガンホ)と中学生になった娘ヒョンソ(コ・アソン)が、カンドゥの妹(ペ・ドゥナ)の国体アーチェリー競技を見ていると、外では何やら人がザワザワ集まっている。 外に出たカンドゥも、人だかりの中で特異な光景を目撃することに。何かが漢江の橋にぶら下がっていたが、正体不明の怪物は、急に土手にあがって人を踏みつぶし、無差別に襲い始めた― |
韓国語で”グエムル”は「怪物」の意味で、韓国映画には珍しいモンスターパニック映画。
でも、ただの怪物映画じゃないのが、さすがポン・ジュノ監督。
アメリカ風刺が根底にあり、現在の韓国社会を批判も含めギュッと凝縮、そこへブラックコメディも混ぜ込んで、家族愛まで見せてくれるので見どころ満載、おもしろい!!
一見、怪物がB級映画のような風貌なので(今となってはなんだか愛着が…)、私も長らく見るのを憚っていたんですが、「なんでもっと早く見なかったんだろう」と後悔した作品。
パニック類 | モンスター出現 |
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スペクタクル感 | |
ハラハラ度 | |
涙 |
観客数 |
1,091万人 |
韓国での評価(10点満点) |
8.63点(投票 39,606人) |
共感が多いコメント |
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ポン・ジュノ監督の原点がつまってるよ!
2位『トンネル 闇に鎖された男』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2016 / 126分 / G |
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原題 | 터널(トンネル) |
監督 | キム・ソンフン(『最後まで行く』『キングダム』) |
出演 | ハ・ジョンウ、ペ・ドゥナ、オ・ダルス |
あらすじ | 自動車ディーラーのジョンス(ハ・ジョンウ)は、大きな契約を取って浮かれ気分で家に帰る途中、突然崩落したトンネルの中に一人で生き埋めになってしまう。 目の前にあるのは巨大なコンクリートの残骸だけ。彼が持っているのは、バッテリーが78%しか残っていない携帯電話とミネラルウォーター2本、そして娘の誕生日ケーキだけ。 大型トンネル崩壊事故のニュースに韓国は騒然、救助隊長デギョン(オ・ダルス)は、閉塞したトンネルに入るために様々な試みをするが、救助は遅々として進まず― |
「トンネルの中で救助が来るまで生き延びられるか!?」という長期戦のサバイバル劇。
主人公はトンネルの中、しかも狭い空間に閉じ込められているので、話が単調なんじゃ…?なんて思ったのは杞憂で、緊張感もあるし、意外とトンネルの中と外で状況がどんどん変わっていくので飽きるどころか没入感あり。
手元にある貴重な水、バッテリー、ケーキをめぐって、細かいことはネタバレになっちゃうので控えますが、ハ・ジョンウの演技がユーモアあり、人間味あって、すごく共感できるんですよね。
それに、ただのサバイバル&救出劇というだけでなく、韓国社会の風刺もたっぷり。
長期戦、しかも”生き埋められているのが一人”というのがポイントで、マスコミ・政治家・世論も最初と最後ではまるっきり態度が違うんですよね。
これもかなりリアルで、悲しいかな実際こうなっちゃうかもしれず…。
「いやいや、そうじゃないでしょ!」って、薄っぺらい言葉を並べる政治家やスクープを撮ろうとするマスコミ、手抜き工事やら、いろいろと出てくる批判たっぷりの皮肉な描写は痛快で、最後の一言にスッキリ!(韓国式の悪口を日本語に訳すのが大変そうだけど)
ハラハラ連続のパニック映画とはまた違いますが、これからトンネルを通るのが怖くなるのは間違いなし。
パニック類 | トンネル崩落事故 |
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スペクタクル感 | |
ハラハラ度 | |
涙 |
観客数 |
712万人 |
韓国での評価(10点満点) |
8.63点(投票 14,702人) |
共感が多いコメント |
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妻役のペ・ドゥナもよかったよ
4位『新感染 ファイナル・エクスプレス』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2016 / 118分 / G |
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原題 | 부산행(プサン行き) |
監督 | ヨン・サンホ |
出演 | コン・ユ、チョン・ユミ、マ・ドンソク、キム・スアン、キム・ウィソン、チェ・ウシク、アン・ソヒ |
あらすじ | ソウル発プサン行きの高速鉄道KTXには、証券会社のファンドマネージャーであるソグ(コン・ユ)と娘(キム・スアン)、妊婦(チョン・ユミ)とその夫(マ・ドンソク)、野球部の部員らが列車に乗り込んでいた。 正体不明のウイルスが全国に広がり、全国各地で暴動が発生する中、すでに列車内にも謎の感染が爆発的に広がっていた― |
何度見てもハラハラし、泣ける傑作。
今やKゾンビといわれるほど、韓国のゾンビ作品がたくさんありますが、その火付け役であり、まちがいなくゾンビ映画の最高峰。
じわじわと不穏な空気が広がっていく導入から、ゾンビ感染が爆発する急変、短時間で主要人物の人間関係もよくわかり、それが後半生きてくるうまさ。
逃げ場のない『プサン行き(原題)』のKTXの中というのもおもしろいし、外に出た時のスペクタクル感、ゾンビの数もハンパなく、ゾンビ俳優も存在するほどのあの動きや効果音も当時はかなり衝撃的でした。
(意外とそこまでグロくないのでホラーが苦手な人でも見られます)
ちょっとした会話でクスッと笑えたり、緩急ついてるのもよく、ゾンビだけでなく生存者同士の争いも見どころ。
それもだんだん心が変わっていくコン・ユをはじめ、120%の力を尽くすマ・ドンソク、大人を見つめる子役や最後まで自己中を貫く悪役の演技があるからこそで、他にも野球部の仲間や仲のいい老姉妹など、垣間見えるドラマに涙せずにはいられません…。
あまり知られてはいませんが、映画冒頭で列車に駆け込んで最初にゾンビ化したのは、家出少女として特別出演したシム・ウンギョン(『新聞記者』で日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞)。
実はヨン・サンホ監督はアニメ出身で、本作が初の実写映画。その前日譚はプサン行きが出発した『ソウル駅』が原題のアニメ映画『ソウル・ステーション/パンデミック』で、シム・ウンギョンが主人公の声を担当。
邦題だとわかりにくいんですが、原題はシンプル。登場人物はそれぞれ違うものの、大きな流れとしてはつながっています。
前日譚『ソウル駅』→本編『プサン行き』→続編『半島』
※『半島』は朝鮮半島のことで、邦題は『新感染半島 ファイナル・ステージ』、唯一安全だと思われていたプサンから話が始まります。
パニック類 | ゾンビ感染 |
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スペクタクル感 | |
ハラハラ度 | |
涙 |
観客数 |
1,157万人 |
韓国での評価(10点満点) |
8.60点(投票 31,366人) |
共感が多いコメント |
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韓国で観客1,157万人の大ヒット!絶対見てほしい~!
5位『テロ、ライブ』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2013 / 97分 / G |
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原題 | 더 테러 라이브(ザ テロ ライブ) |
監督 | キム・ビョンウ |
出演 | ハ・ジョンウ、イ・ギョンヨン、チョン・ヘジン |
あらすじ | 「これから漢江の橋を爆破する」不祥事でラジオ番組に左遷された元国民的アナウンサー、ユン・ヨンファ(ハ・ジョンウ)は、生放送中に身元不明のリスナーから脅迫電話を受ける。 いたずらだと思い電話を切った瞬間、麻浦大橋が爆発するのを目撃…。 目の前で起きた恐ろしい災害が「テロ事件」という手がかりをつかむことになったユン・ヨンファは、「通報するな。これは一生に一度のチャンスだ!」と、ニュースへの復帰を条件に報道局長と水面下で取引し、テロリストとの電話通話を独占生中継することになるが― |
これはすごい!!!
引き込まれ過ぎて、時間が経つのも忘れて没頭。
たたみかけるような緊迫感で次々と状況が変わっていき、息つく暇もなく山場がくると思えば、緩急うまくついていてめちゃくちゃおもしろい!
いや、この状況をおもしろいと言っていいものか憚られるけど、生放送中のキャスターとテロリストのやり取りで終わるかと思いきや、そこにキャスターの野望や上司やテレビ局の思惑、警察や政府も含め裏でも駆け引きがあり、テロリスト以上にどす黒い感情が出てくるのも見もの。
しかも、スタジオと現場の中継だけに終わらず、まさかあんな展開が待っているとは!
思っていたよりスペクタクル感もあって、鳥肌立ちました…
それにしてもほとんどの画面を一人でもたせてしまうハ・ジョンウの演技に驚嘆しつつ、ありきたりのエンディングで終わらず、行くところまで行ってしまう結末はさすが韓国映画。
それに、テロ犯が電話をかけてきたのが午前9時31分。劇中チラチラ時間が出てきますが、実際の映画のランタイムとピッタリ合う、つまりリアルタイムで進行しているのもすごい!
放送界や政治界など、関係者の視点ではツッコミ所も多々あるようですが、エンタメとしては充分。ノーマークの映画でしたが、こんなおもしろいのが埋まっていたとは!超おすすめ!
※インドでリメイクされたのが、Netflix映画「DHAMAKA(2021)」
パニック類 | 爆破テロ |
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スペクタクル感 | |
ハラハラ度 | |
涙 |
観客数 |
558万人 |
韓国での評価(10点満点) |
8.30点(投票 17,184人) |
共感が多いコメント |
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ハ・ジョンウ主演の『トンネル』にこの放送局SNCが出てくるよ!
6位『コンクリート・ユートピア』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2023 / 130分 / G |
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原題 | 콘크리트 유토피아(コンクリート・ユートピア) |
監督 | オム・テファ |
出演 | イ・ビョンホン、パク・ソジュン、パク・ボヨン、キム・ソニョン、パク・ジフ、キム・ドユン |
あらすじ | 全世界を巻き込んだ大地震で一夜にして廃墟となったソウル。 すべてが崩壊した中、ファングンアパートだけは無事だった。噂を聞きつけた外部の生存者がアパートに押し寄せ、脅威を感じ始める入居者たち。 生き残るために団結した彼らは、新しく住民代表としてヨンタク(イ・ビョンホン)を選び、外部の立ち入りを徹底的に遮断、アパート住民だけの新しいルールを作り、安全で平和なユートピアを作ろうとする。 が、これはまた予想もしなかった混乱の始まりだった… |
実は災害映画というより、社会風刺のきいた群像劇。
災害に遭う過程よりも、災害に遭った後、極限状態の人間たちがどんな行動をとるかが描かれていて、「自分だったらどうする?」と悩まされる映画。
それに、アパートに狂った韓国を痛烈に風刺しているだけでなく、聖書的な装置も隠されているのがこの映画のおもしろいところ。
普通に見ても楽しめますが、背景を知って見るとまた別の見方ができるのが映画好きにはたまりません。
パニック類 | 大地震後のサバイバル |
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スペクタクル感 | |
ハラハラ度 | |
涙 |
観客数 |
384万人 |
韓国での評価(10点満点) |
8.18点(投票 1,465人) |
共感が多いコメント |
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2024年に日本公開されたばかりだよ
7位『ザ・タワー 超高層ビル大火災』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2012 / 121分 / G |
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原題 | 타워(タワー) |
監督 | キム・ジフン(『奈落のマイホーム』『第7鉱区』) |
出演 | ソル・ギョング、ソン・イェジン、キム・サンギョン、ト・ジハン |
あらすじ | 超高層複合ビル、タワースカイの施設管理チーム長であるシングルファーザーのデホ(キム・サンギョン)は、愛する娘ハナといっしょにクリスマスイブを送ることを約束。 デホが好感をもっているフードモール・マネージャーのユニ(ソン・イェジン)は、忙しいデホに代わりしばらくハナと楽しい時間を過ごし、一方、伝説と呼ばれる汝矣島消防署の隊長ヨンギ(ソル・ギョング)は結婚後初めて、クリスマスイブに妻とのデートを約束する。 みんなが幸せな気分でいたその日の夕方、クリスマスパーティーが開かれているタワースカイで、予期せぬ火災事故が発生した… |
クリスマス・イブの夜、108階の超高層ビルで起こった大火災。
韓国版タワーリング・インフェルノとも言える王道のパニック・スペクタクル映画。
クリスマスの幸せで豪華なパーティから、一気に恐怖におののくサバイバルになり、いろんな人々の階級の違いや、いい人悪い人、それぞれの事情を群像劇で見せてくれます。
主役の『殺人者の記憶法(2017)』のソル・ギョング、『愛の不時着(2019-2020)』のソン・イェジン、『殺人の追憶(2003)』のキム・サンギョンだけでなく、
韓国映画、ドラマを見ている人なら、あっ!となる今でも活躍している俳優たちが脇役でビックリするほど出てくるし(国民俳優と言われるアン・ソンギも)、今見るとその豪華なキャストに感嘆してしまうはず!
そして何よりもすごいのがそのスペクタクル感!
約10年前の映画なんですが、今見ても遜色ない画面の迫力に、火災の爆発力や高層ビルの高さを感じる緊張感が続き、手に汗にぎりハラハラドキドキ。
これぞ映画というスケールある映像に、やや芝居がかった笑いもありつつ(これも韓国っぽい)、家族、恋人、死と別れ…なんとなく結末がわかっていても、新旧俳優の演技に心打たれる作品。泣けます。
消防士の体を張って全うしようという使命感には、何度見ても尊敬するしかありません。
パニック類 | ヘリ機事故、超高層ビル大火災 |
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スペクタクル感 | |
ハラハラ度 | |
涙 |
観客数 |
518万人 |
韓国での評価(10点満点) |
8.02点(投票 14,074人) |
共感が多いコメント |
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これぞ王道の災害映画だね
8位『白頭山大噴火』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2019 / 128分 / G |
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原題 | 백두산(白頭山) |
監督 | イ・ヘジュン、キム・ビョンソ |
出演 | イ・ビョンホン、ハ・ジョンウ、マ・ドンソク、チョン・ヘジン、ペ・スジ |
あらすじ | 朝鮮半島北部にある白頭山で観測史上最大の噴火発生。ソウルでもM7.8の大地震が起き、朝鮮半島は一瞬にして大パニックに。さらに追加の大爆発が予測されるという。 史上未曾有の災害を防ぐため、政府は白頭山爆発を研究してきたカン教授(マ・ドンソク)の作戦を計画。除隊を控えた爆発物処理班の大尉チョ・インチャン(ハ・ジョンウ)が作戦に投入された。 白頭山の最後の爆発までの時間が近づく中、まずは作戦の鍵を握る北朝鮮の工作員リ・ジュンピョン(イ・ビョンホン)に接触しなければならないのだが… |
まずは白頭山なんですが、朝鮮半島においては富士山のような存在。
場所は北朝鮮と中国の国境付近なので、正直韓国からは遠いんですが、Wikiによると過去の巨大噴火では日本にも火山灰がやってきたこともあるほどの威力。
なにせ、冒頭でソウルが壊滅していく様子がめちゃくちゃすぎる!!
高層ビルはなぎ倒れ、道路は陥没だらけ、正直、大地震でこんなになるのかな?と思いつつも、いや普段地震がない韓国なら、耐震してないからあり得るかもなんて思ったり。
とにかくそれだけド派手なスペクタクル感じます。
でも、白頭山噴火、大地震だけでもえらいこっちゃなのに、そこへ核兵器、韓国×北朝鮮×アメリカ×中国も入ってきて、やや要素が多すぎかな…。
時々起こる地震や2次噴火など、ミッション遂行もギリギリなんですが、ちょっと都合がよすぎる展開が多く、緊張感があまりなかったのが残念。
反面、演技する俳優たちが国宝級なので、画面の吸引力はすごく、特別出演したチョン・ドヨンの迫真の演技には目を奪われました(イ・ビョンホンの妻役)
主演のイ・ビョンホン、ハ・ジョンウもやっぱり魅せてくれるので、グッとくるところあり、ときどき挟まれるコメディも和むんですが、俳優がいいだけに編集とかでもっとうまくできなかったのかな~と惜しい限りです。
それにあの筋肉隆々のマ・ドンソクが地質学者で、声も雰囲気もノワールの時とは全然違うのにビックリ。やっぱり役者さんなんだなーと感心した次第。
残念なところはありつつも、スペクタクルで見どころある俳優たちが出演しているので、娯楽映画としておすすめです。
パニック種類 | 大噴火、大地震 |
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スペクタクル感 | |
ハラハラ度 | |
涙 |
観客数 |
825万人 |
韓国での評価(10点満点) |
7.47点(投票 2,793人) |
共感が多いコメント |
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9位『TSUNAMI -ツナミ-』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2009 / 120分 / 13+ |
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原題 | 해운대(海雲台/ヘウンデ) |
監督 | ユン・ジェギュン(『国際市場で逢いましょう』) |
出演 | ソル・ギョング、ハ・ジウォン、パク・チュンフン、オム・ジョンファ |
あらすじ | 2004年インドネシアでの予期せぬツナミに巻き込まれ、当時インド洋で漁船に乗っていったマンシク(ソル・ギョング)は、ヨニ(ハ・ジウォン)の父親を助けることができなかったため、彼はヨニへの思いをずっと隠していた。 一方、地質学者キム・フィ博士(パク・チュンフン)は、対馬と海雲台を取り巻く東海の状況が5年前のインドネシアのツナミと似ていることに気づくのだが、彼の警告を誰も全く聞こうとしない。 そうこうしているうちにバカンスを楽しむ行楽客や平和な日常を過ごしている釜山市民の元へ、時速800kmの巨大津波が押し寄せようとしていた― |
原題にもなっている舞台の「海雲台(ヘウンデ)」は釜山で最も有名な観光ビーチ。
ここへ巨大津波がやってくるパニック映画ではありますが、映画の前半は何も起こりません。
この海雲台にいる人たち、特に3組の男女カップルを中心とした人間模様を描いていて、釜山らしさも出てるし、けっこう笑えます。
最初からハラハラしたい人には物足りないかもしれませんが、嵐の前の静けさのような和やかだった日常が一気に変わる姿、そのスペクタクル感もすごく、前半の人間ドラマがあるからこそ泣けます…。
パニック類 | 巨大津波 |
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スペクタクル感 | |
ハラハラ度 | |
涙 |
観客数 |
1,132万人 |
韓国での評価(10点満点) |
7.44点(投票 25,859人) |
共感が多いコメント |
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釜山の方言でちょっと評価が厳しくなってるかも…
番外編:特筆すべきパニック映画
コロナを予見?『FLU 運命の36時間』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2013.08.14 / 121分 / G |
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原題 | 감기(風邪) |
監督 | キム・ソンス(『ソウルの春』『アシュラ』) |
出演 | チャン・ヒョク、スエ、パク・ミナ、ユ・ヘジン、イ・ヒジュン、イ・サンヨプ、マ・ドンソク |
あらすじ | 救急隊員のジグ(チャン・ヒョク)が、事故をおこしたシングルマザーのイネ(スエ)を救出した頃、密入国者を乗せたコンテナが韓国へ到着。 このコンテナ内で突然変異したウィルスが感染源となり、最初の感染者がイネが感染専門医を務める病院へ運ばれてくる。 空気感染する前代未聞のウイルスがあっという間に街に広まり、政府は拡散を阻止するために国家災害事態を発令、ついに都市閉鎖という異例の決定を下す― |
実は2013年の公開当時、現実性にかける、あり得ないという批判もけっこう多かったんですが…、いえいえ、今見ると隔離もPCR検査ももう身近じゃないですか!
2015年、韓国でMARS(中東呼吸器症候群)が流行した時も、近年のコロナ禍でも、この映画が予見していたんじゃないかと再評価されている映画。
もちろん映画なので、ややオーバーな感はあるとはいえ、こうした状況で起こりえる事態。
想像以上にスケールが大きく、次々と話が展開していくので2時間あっという間。エンドクレジットにもエピローグが入ってるのでお見逃しなく!
パニック類 | ウィルスによるパンデミック |
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スペクタクル感 | |
ハラハラ度 | |
涙 |
今見ると俳優たちもめちゃくちゃ豪華だよ
VRのような映像体験『非常宣言』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2022 / 140分 / G |
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原題 | 비상선언(非常宣言) |
監督 | ハン・ジェリム(『ザ・キング』) |
出演 | ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ドヨン、キム・ナムギル、イム・シワン、キム・ソジン、パク・ヘジュン |
あらすじ | ベテラン刑事のインホ(ソン・ガンホ)は、飛行機テロの予告情報を捜査中、容疑者が実際にKI501便に乗っていることを把握。 一方、飛行機恐怖症であるにもかかわらず、娘の治療のためにハワイに行くことにしたジェヒョク(イ・ビョンホン)は、周りをうろついて、変な話をする不審な人物が気になっていた… |
まるでジェットコースターに乗ったような映像と、コロナや9.11なども想起させるような災難映画の王道。
自分がまるでその場を体験してるような映像がすごく、何か所か「うわあ~~~~!!!」っていう映像があって、ちょっと頭がクラクラするほど。
韓国を代表する超豪華キャストで数年前から話題になっていた作品で、特に前半の緊張感と展開の早さに引き込まれるはず。後半ちょっと間延びした感もありますが、娯楽として楽しめます。
パニック類 | 飛行機テロ、バイオテロ |
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スペクタクル感 | |
ハラハラ度 | |
涙 |
大スクリーンで見るとすごいよ!
韓国版 福島原発事故『パンドラ』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2016.12.07 / 136分 / 16+ |
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原題 | 판도라(パンドラ) |
監督 | パク・ジョンウ(『ヨンガシ 変種増殖』) |
出演 | キム・ナムギル、チョン・ジニョン、キム・ジュヒョン、キム・ヨンエ、ムン・ジョンヒ、キム・デミョン、キム・ミョンミン |
あらすじ | 原子力発電所の作業員として働くジェヒョク(キム・ナムギル)は、ギルソプ(キム・デミョン)ら幼なじみと小さい頃から原発の近くで育ち、みんな原発で働いていた。 いつもと変わらないある日、史上最大規模の地震が発生、老朽化した原子力発電所は深刻な状況に陥り、ついに爆発― 国全体が大混乱に陥り、頼みの綱であったコントロールタワーさえも揺らいでいく― |
日本人としては3.11の福島原発事故を思い出さずにはいられないので、見ていてつらくなる人もいるかもしれません…。
韓国も原発を多数抱える国として、福島原発事故をモチーフに原発を警告する映画。
ツッコミ所も多々あり、典型的なお涙頂戴系の演出ではありますが、いい俳優たちが熱演しているので、やっぱり最後は号泣もの…。
街でのパニック規模もハンパなく、政府批判も痛烈。原発内部の混乱や被ばくして苦しむ様子を見ると福島を思い出し胸が痛くなります…
パニック類 | 原発事故 |
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スペクタクル感 | |
ハラハラ度 | |
涙 |
ほぼ事実に基づく『Fukusima50』やドラマ『THE DAYS』とは違い、映画らしい展開だよ
災害 × コメディ『奈落のマイホーム』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2021.08.11 / 113分 / G |
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原題 | 싱크홀(シンクホール) |
監督 | キム・ジフン(『ザ・タワー 超高層ビル大火災』) |
出演 | チャ・スンウォン、キム・ソンギュン、イ・グァンス、キム・ヘジュン |
あらすじ | ドンウォン(キム・ソンギュン)は長年の夢だったマイホームをソウルにかまえ、職場の同僚を家に招待するが、幸せな時間は束の間、あっという間にマンション全体が地中に落ちてしまう。 引越当日からもめた住民のマンス(チャ・スンウォン)と、ドンウォンの同僚、キム代理(イ・グァンス)、インターンのウンジュ(キム・ヘジュン)、地下500mのシンクホールの中に落ちた彼らは、果たして無事に脱出できるのか? |
「災害なのに笑っていいのか!?」と思いつつ、ちょくちょく笑ってしまう映画。
シンクホールを題材にしているのも新しいですが、今まであった災害映画のような重さがなく、気楽に笑って泣けるパニック型娯楽映画。
先に紹介した『EXIT イグジット』のような感じで、特に前半はコメディ色が強く、ほどよいスケールに、ほどよい笑いと涙、家族で楽しめる作品です。
パニック類 | シンクホール(地盤沈下でできた陥没穴) |
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スペクタクル感 | |
ハラハラ度 | |
涙 |
監督は『ザ・タワー 超高層ビル大火災』のキム・ジフン監督だよ
ソウルで漂流!?『彼とわたしの漂流日記』
公開 / 時間 / 年齢制限 | 2009.05.14 / 116分 / G |
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原題 | 김씨표류기(キム氏漂流記) |
監督 | イ・ヘジュン(『白頭山大噴火』『最後まで行く』) |
出演 | チョン・ジェヨン、チョン・リョウォン |
あらすじ | 自殺に失敗し、漢江(ハンガン)の無人島に漂流した男(チョン・ジェヨン)は、死ぬこともできずに、とりあえず島で生きてみることにする。 一方、マンションの一室に3 年間引きこもっている女(チョン・リョウォン)は、唯一の趣味である月の撮影に夢中になっていたある日、遠く漢江の島で男の姿を発見する― |
一風変わったパニック映画がこちら。
いや、パニック映画というべきかは微妙ですが、とにかく漂流する話なんです。しかも、ソウルのど真ん中で…。
大都会の喧騒が聞こえるのに、誰にも気づかれない。
それはまさに世間から孤立・隔離されてしまった彼の状況のようで、そんな彼を唯一発見するのも、部屋に何年も引きこもっている”わたし”。
2人ともキム氏なんですよね。それで原題は『キム氏漂流記』なんですが、韓国では「3大ダメポスター映画」に選ばれてしまうほどポスターでちょっと損してる感があるんですが、それでも見た人からはけっこう高評価。(8.79点 / 7,448人)
疎外された2人が、小さな希望と勇気を出すお話。ほっこりします。
パニック類 | 無人島へ漂流 |
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スペクタクル感 | |
ほっこり度 | |
涙 |
ジャージャー麺食べたくなるよ
最後に:『モガディシュ 脱出までの14日間』もぜひ!
韓国の災害・パニック映画のランキング、どうでしたか?
ランキングには入れませんでしたが、『モガディシュ 脱出までの14日間』もソマリアの首都モガディッシュで勃発した内戦から脱出する実話に基づいた映画。
リアリティある内戦に、韓国と北朝鮮の南北問題が絡み、心にしみるヒューマンドラマになってるんです。
ぜひ見てみてくださいね。
実話ベースの名作ランキングも執筆中