ヴィンチェンツォ~!!おもしろかったね~
小ネタもいっぱいあったしね~
知らなくてもドラマの本筋とは全く関係ないんですが、『ヴィンチェンツォ』には笑える隠れネタが満載!!
めちゃくちゃ怖いノワールがあったかと思えば、突然コミカルに笑わせてくれるのが『ヴィンチェンツォ』。
演出や、特にセリフにちりばめられたちょっとしたネタには、パク・ジェボム作家のサービス精神や遊び心がつまってます。
それにしてもコロナネタもさしこんでくるドラマなんて今までありましたか!?
暴力団が乗り込もうとしたら、体温チェックでとめられるとか、一次接触者として保健所から連絡がくるとか、ピザのまずさを表現するのに、バジルとチーズが社会的距離を保っているとか、トマトは自宅隔離中とか…
未だコロナ禍が続いている中、その閉塞感を打ち破ってくれるダークヒーロー、悪いヤツをスカッとやっつけ、笑わせてくれるのがまさにヴィンチェンツォですね。
ただ見ても充分楽しめるんですが、知ってれば知ってるほど楽しめる『ヴィンチェンツォ』の隠れネタを解説します!
- 韓国語で視聴しているので、日本語字幕と違うこともあります(意訳されている可能性もあり)
- ネタバレもあるので、まだ見ていない方は視聴後にお読みください
難易度1:韓流ネタ 大サービス
まずはウォーミングアップ。
1話から”ポン・ジュノ監督“や”BTS“がセリフで出てきましたが、
韓流ファンでなくても、話題作を見た人だったらほとんどわかるネタです。
Netflixで見られる作品ばかりだね!
『愛の不時着』と『梨泰院クラス』
日本で大ブームになったこの2つのドラマ、『ヴィンチェンツォ』にも登場する俳優さんが何人もいて、ファンはニヤリ。(キャストは後述)
しかも、この2つのドラマを知ってるからこそのセリフにまたまたニヤリ。
おじさん質屋の社長は『愛の不時着(2019-2020)』では北朝鮮の兵士でしたね~。
そして『梨泰院クラス(2020)』といえば、主人公はイガグリ頭のパク・セロイ。
「ヴィンチェンツォ」のこういう遊び心が好き。うれしくてニヤニヤしちゃいます。 pic.twitter.com/RtT2g26hge
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) April 23, 2021
みんな知ってるからこそだよね~
『パラサイト 半地下の家族』
2020年、世界を席巻したポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族(2019)』。
アカデミー賞で作品賞を含む4冠、カンヌ最高賞受賞、映画史を変えた作品ですね!
映画を見た人だったら、このモノマネうれしくなっちゃいます!
ドラマ「ヴィンチェンツォ」に突如登場する、映画『パラサイト』のモノマネシーン。この作品は、こうして急にゆるいお笑いが入ってくるところがすごく好き。韓国語モノマネだけど、言葉がわからなくても笑えちゃいます。みなさん、どうでしょう?似てる?似てない? pic.twitter.com/G0kUQEl86M
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) April 12, 2021
すごい似てるから何回もでてくるよね~
『新感染 ファイナル・エクスプレス』
いまや”Kゾンビ”のジャンルができるぐらい、韓国発のゾンビ物が人気ですが、その発端になった映画が『新感染 ファイナル・エクスプレス(2016)』。
邦題はかなり変わっちゃってるんですが、韓国語の原題は『부산행(プサン行き)』、まさにプサンへ行く特急列車KTXでの話。
2話でダンス教室の院長は、映画『ウルサン行き2』の演技指導をするためゾンビの振り付け練習をしていましたね~。(ウルサンはプサンの近く)
しかも他のメンバーもゾンビの振り付けうまい!
Netflixだけで見られるKゾンビ、『キングダム』や『#生きている』も世界的に話題になったね~
難易度2:韓国人&わかる人だけ笑えるツボ
ここからは少し難易度アップして、いよいよ本題!
韓国人だったらわかることがほとんどですが、字幕でこれを表現するのは難しすぎる…(翻訳する人ホントに大変..っていうか翻訳不可)
あとはサッカーやゲームの知識があればわかるんですが、私は旦那に聞いてようやくわかりました~。
わかるとスッキリ~
イタリアのスーツ”ブラルロ”
これは書くか迷ったんですが…、
1話、強盗にやられて汚れたスーツを「第一クリーニング」へ持っていったところ、社長はイタリアミラノのテーラー”ブラルロ”を知らずに「ブラル?」とずっと「ブラル」と勘違いしていましたが、
「ブラル」は韓国語で男性のその…金の玉のことです…汗
発音が似てるのでこんなことになってます。
しかも効果音つき
君の声が見える
1話でクムガプラザのオーナーの家族を人質に、パク・セロイの偽物(笑)が無理やり契約書に印を押させようとした場面。
早く押せと急かすんですが、理由は「早く帰って”너목보”見ないと 」
“너목보”は『너의 목소리가 보여(君の声が見える)』という音楽バラエティー番組の略。
『ヴィンチェンツォ』と同じtvNでも放送されている人気の長寿番組で、もうシリーズ8です。
”超オンチの人”はリップシンク(口パク)で演技をしているので、その中から本当に歌が”超うまい人”を見つけ出し、最後はゲストが一緒にデュエットしなければいけない番組。(失敗してオンチの人を指名すると大変…)
すごいオンチの人がたくさん出るのでおもしろいよ!
韓国式ゆびきり
2話、クムガプラザに乗り込んできたアント・カンパニー(暴力団)の社長をヴィンチェンツォが窓の外につるした状態で、早く立ち去るように脅迫します。
約束する時は韓国でも日本と同じように小指をからめるんですが、それだけじゃないんです。
- 約束(小指をからめる)
- ハンコ(親指同士で印を押す)
- 複写(手のひらを合わせてコピーする)
この一連をセットをするのが韓国式なんですが、宙づりにした状態でヴィンチェンツォがこれをしようとするので、暴力団のボスが必死にしようとするのが笑えます。
さすがに3番目は手をはなせないからできないね
韓国のお酒マナー
これは韓国ドラマや映画をよく見る方だったらご存知ですね。
目上の人にお酒を注ぐ時は、ビンを右手で持って、左手を右手に添えたり、男性は胸に軽くあてます。
また、お酒を飲む時は真正面を向いて飲むと失礼になるので、少し横を向いて飲みます。
2話でヴィンチェンツォは初めてマッコリを飲んだ時に、ホン・ユチャン弁護士に横を向くことを教えてもらいますが、回りすぎて後ろ向いちゃってますね…
マッコリは飲みやすいから、気づいたらすごい酔ってることも…気をつけて~
植物の名前:プンホ・マル・シジン・ウンソム
4話で事務長がホン・ユチャン弁護士の植物に名前を言いながら水をあげる場面。
「プンホ、マル、シジン、ウンソム」
これ、全て今までソン・ジュンギが出演したドラマの役名です!
『トリプル(2009)』のプンホ
『優しい男(2012)』のマル
『太陽の末裔(2016)』のシジン
『アスダル年代記(2019)』のウンソム
ファンの人はわかったかも!
小便禁止
5話のバベル化学被害者グループのソ・ヒョヌ弁護士。
ドラマでは、홍차영 변호사(ホン・チャヨン弁護士)→ 홍 변(ホン弁)というように略されたりするんですが、
この弁護士の場合、소현우 변호사(ソ・ヒョヌ弁護士)→ 소 변(ソ弁)=韓国語で소변(小便)になっちゃうんです笑
いきなりドアに『小便禁止』の張り紙がされていましたが、よく見るとこうなってたんです。
ソ弁護士出入り禁止
なんだか子供っぽくて余計に笑える…
Can you feel my heartbeat?
ジュヌ演じるオク・テギョンは2PMのラップ担当なんですが、2PMのヒット曲”Heartbeat”の冒頭の歌詞が
“Can you feel my heartbeat?”
5話、ジュヌがインターンを卒業して正式パートナーになった報告をホン・チャヨンにした時や、
13話、ジュヌがバベルタワーの競売をしている時、
興奮したシチュエーションでこの歌詞をセリフに入れてますね。
”Heartbeat”の振り付けを入れてる時もあるよ~
나야 나 (Pick Me)
6話、ジュヌが自分が本当のバベルグループの会長だと明かした時、ジュヌとハンソが踊ったのがこの曲。
あのサバイバル番組『PRODUCE 101 シーズン2』のテーマ曲ですね。
“나야 나(ナヤナ)”は「俺だ俺」みたいな意味だよ
バカ
9話、バベルグループの本当のボス(바벨의 진짜 보스)のことを、ヴィンチェンツォとホン・チャヨンは略してバボ(바보)と呼んでましたが、
これは韓国語で「バカ」の意味です笑
うまくハマったなあ
さつまいもとサイダー
韓国独特の表現ですが、「さつまいも」を食べる時の喉に詰まった感じ、水分が足りなくて息苦しいような状況を”답답하다(タップタップパダ)”といいます。
それは物事がうまくいかなくてイライラしたり、ヤキモキする状況にもよく使われる表現で、ヴィンチェンツォでも具体的に「さつまいも」が何度も登場しましたね。
逆に喉元をスッキリしてくれる「サイダー」は、今までのうっぷんを晴らすように、スカッーとスッキリする状況によく使われます。
これがわかると9~10話で「さつまいも」や「サイダー」が出てきた状況やセリフがもっとおもしろくなりますよ!
最終回で全て終わってスッキリしたホン・チャヨンがサイダー飲んでるよ
インザーギ
ヴィンチェンツォが寝る時、いつも窓際にいる鳩につけた名前。
最初は韓国語の”印字機”の意味かと思ったら、いやいや元イタリア代表のサッカー選手の名前だったんですね。
有名な選手だよ~
たぶんヴィンチェンツォがこの名前をつけたのも、いつもいいポジションにいて、イライラする奴だからかな?
オリバー・カーンは「これまで対戦してきた中で最も嫌だったFWは誰か?」との質問に「最強のFWだと思ったのはロナウドで間違いないが、最も嫌だったとなるとインザーギだな…。知っての通り、やつはスーパーFWってわけじゃない。だが、大事な試合のたびに、やつは俺からゴールを奪ってきた。いつもだ!あいつは何てイラつくやつなんだ!」と答えている。
マンチェスター・ユナイテッドFC元監督のアレックス・ファーガソンは、オフサイドラインを上手く突破するインザーギについて「オフサイドポジションで生まれた男」とコメントしている。またヨハン・クライフは「彼はサッカーをまったくしていない。ただ常に的を射た場所にいるだけだ」、ゲルト・ミュラーは「彼がしている事の全てはゴールを決めることだ」とのコメントを残している。
出典:フィリッポ・インザーギ Wikipedia
インザーギの活躍にビックリしたね
泣く子に「トゥク」
ウサン代表のスンヒョクが、バベルの会長ハンソをバーに呼び出し、誰も本当のボスを知らないし、このまま会長でもやっていけると説得するシーン。
涙ながらにハンソに訴える様子が笑えるんですが、ここで気分を良くしたハンソが言うのがこんなニュアンス。
「ほら泣かないの、トゥク」
トゥク(韓国語でピタッと止まる様子)というのは、泣き止まない子供に泣き止むように言い聞かせる言葉。
大人なのに赤ちゃんみたいに優しく言ってるのがまた笑えます。
18話でもヴィンチェンツォがイタリアに帰る時、事務長が泣くのでホン・チャヨンが「トゥク」って言ってるよ
アルファベットの ”C”
韓国語はかなり罵声・悪口の種類が多いんですが、「ッシーバル」「シップセッキ」など、「シ」がつくことが多いので、「C」で表現したりすることがあります。
ヴィンチェンツォがバベルグループの本当のボスを呼び出すために、嘲弄と脅迫の目的で残した文字が「C」。
話の流れからも、韓国人なら悪口言われて、バカにされてるっていうのがわかります。
ドラマではもう一つのまっとうな意味、カサノファミリーの「C」で、死の直前である警告の意味で残したイニシャルでもありましたね。
あのラジコンカーの場面、爆笑
マフィアゲーム
これは韓国で昔からあるゲームで、ざっくり説明すると、誰がマフィアか探り当てる心理ゲーム(身分は本人しかわからない)
韓国のバラエティー番組やK-POPアイドルのLIVE配信など、けっこう紹介されているので知っている人も多いかも。
徹夜必至の中毒ドラマ『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』でも、ある事件が起きた日に子供たちがしていたのがマフィアゲーム。
11話でクムガプラザの住人たちが遊びでしてたこのゲーム、ヴィンチェンツォはマフィアでしたね。
ゲームしてたら本当にマフィアってことで連れてかれちゃったね
大金持ちマンスール
12話、地下に金塊が1兆500億ウォン、その70%がヴィンチェンツォの取り分と知り、ホン・チャヨンが言ったのが、
「ヴィンチェンツォじゃなくて、ヴィンスールだった!」
これは韓国では大金持ちの代名詞として知られているマンスールからきています。
マンスールって誰?
サッカープレミアリーグ、マンチェスター・シティのオーナーだよ
マンチェスター・シティを2008年に買収したシェイク・マンスール氏。
アブダビ・ユナイテッド・グループオーナーとして世界各国の石油関連企業に投資し、UAEの政界を取り仕切る大富豪は、総資産額4兆円超といわれています。
マン・シティ買収に費やした額は、2億ポンド(約300億円)。ダヴィド・シルヴァ、ヤヤ・トゥレ、アグエロなど補強費として2億ポンド以上を投資しており、クラブは、直近10年で3度のプレミアリーグ優勝を果たしています。
出典:1位はもちろんあのクラブ!プレミアリーグ「金持ちオーナー」ランキング
パク・チソン選手がマンチェスター・ユナイテッドで活躍していたので、韓国では敵対クラブであるマン・シティの動向もよく報道されていて、
お金でいい選手をどんどん集めていくオーナー、マンスールが大金持ちの代名詞になり、韓国では、バラエティー番組でパロディされるほど有名な存在になりました。
それが知りたい
韓国人なら誰でも知っている『그것이 알고싶다(それが知りたい) 』という真実を追求する報道ドキュメンタリー番組があります。
1992年から今現在も続く長寿番組で、特徴的なのが司会を務める俳優キム・サンジュンの声と決まり文句。
マネする人も多く、あまりの人気に公式チャンネルがこんな映像を作ってしまうほど。(番組自体はかなりシリアスな内容なんですが…)
12話、情報員のアン・ギソクがヴィンチェンツォたちに「ギロチンファイル」について説明するとき、この『それが知りたい』の司会者風に話してましたね。
真実を伝える内容にぴったりかも!?
ブッチギ バッチギ
13話で御用組合委員長を拉致する時に、おじさん質屋の社長が言ったのが、
「ラップをする時、2つだけ覚えていればいいです。ブッチギ バッチギ♪ 」
これは韓国人ならみんな知ってる昔流行ったこのCMから↓
(NAVER TVなので韓国語で表示が出るかもしれません。「3G/LTEなどで再生時、データ利用料が発生することがあります。ボタン左:中止 右:再生」右のボタンを押して広告が出たら、右下のSKIPでとべます。)
「ビートボックスがうまくなるには、2つだけ覚えてください。ブッチギ バッチギ♪」
このCMで韓国人がビートボックスを知ったと言ってもいいぐらいの影響力だったそう。
これ覚えてるよ~
「ブッチギ バッチギ♪」は単純にビートボックスのリズムを作る音として使われていますが、本来の意味はブッチギ(=太鼓をたたく) バッチギ(=頭突き)。
それで太鼓の音でリズムにのって、おじさん質屋の社長が頭突きしてます笑
実はあのCMでビートボックスしてた人が『パラサイト 半地下の家族』に出てくるダソンの絵を描いた人だよ!
英語がダメなら ダウンスクール
14話、ラグセンギャラリーのパソコンに侵入して、秘密資金の資料を探している時、バイバイ・バルーンの経理担当ミス・ヤンが英語ばっかりで文句を言っていると、
「だから英語の勉強しろって言ったろ
ほら、あれなんだっけ?
”英語がダメなら ダウンスクール”」
これは韓国人なら誰でも知ってる英会話スクールのCMです。
「英語がダメなら シオンスクール」
もう何年も前からこの決まり文句がTVCMで流れていたので、覚えちゃいました。
それにしてもCMキャストが豪華すぎる!!
社長のネームプレート
韓国は社長などの肩書プレートが会社の机の上に置かれることが多いんですが、
15話、ハンソが兄「CEO 장한석(チャン・ハンソク)」のプレートの最後の”ㄱ”をこっそり取ろうとしていました。
「CEO 장한석」のプレートから最後の”ㄱ”を取ったら、自分の名前になるからです笑
19話では本当にプレートが「CEO 장한서」になりましたね。
子どもっぽくてかわいい
マナーの手
15話、ハンソがヴィンチェンツォの経済クイズに答える場面。
学生の頃に聞いたことある名前がでてくるけど、「はて??」と思った方、大丈夫です!
答えがわからなくても、ハンソがいかにも違うとわかる答えを言ってくれます。
ハンソの答えは、”매너손(マナーの手)”
韓国でよく使われるようになった言葉なんですが、元々は女性に配慮して身体的な接触をなるべくしないように男性が努力するマナーの手のことをいいます。
アイドルや俳優、タレントが写真を撮ったりするときに肩を組んだり、腰に手を回しても、身体に触れないように手を浮かせたりする手のこと。
そこから、女性だけでなく相手を配慮するときの手の動きにも広く使われるようになりました。(ex.運転中の急ブレーキ時、助手席の人を支えようとする手など)
問題、なんか昔聞いたような気もするけどわからん…
ジャングルの法則
こちらも引き続き、ハンソが答えるヴィンチェンツォの経済クイズ!
ハンソの答えは、”정글의 법칙(ジャングルの法則)”
これは2011年から続くバラエティー番組の名前で、アイドルやタレントたちがジャングルに行って、自給自足のサバイバルをする番組の名前です。
わかりやすい誤答をありがとう笑
パク・ヒョシン『雪の華』
あの中島美嘉の『雪の華』を韓国でリメイクしたのがパク・ヒョシン。
ソ・ジソブ主演のドラマ『ごめん、愛してる(2004)』の主題歌でもあり、ドラマと共に大ヒットした韓国人なら誰でも知ってるヒット曲。
パク・ヒョシンは元々有名な歌手でしたが、『雪の華』でさらに知られることになり、パク・ヒョシンといえば『雪の華』、まさに代名詞となりました。
15話、霊媒師を盲信するテチャン日報の社長が訪ねてきたのが、「朴孝神堂(パク・ヒョシン堂)」
漢字はそれっぽくても、韓国語にしたらもうこれだけでビビッときちゃいます笑。
事務長が神堂について説明した内容は「朝鮮時代に雪花パク・ヒョ先生が山に入って悟り、神仙になられました。それで私たちが仕える神はパク・ヒョ神です。」
この後、事務長は『雪の華』の出だし”어느새 길어진~♪(オヌセ キロジン~)”とチラッと歌ってます笑
いかにもオヤジギャグ
ヌートリア
16話、バイバイ・バルーンの社長が自称「クムガ洞のヌートリア」と言ってましたが、ほんとになんか似てるかも!!!
(クムガ洞はクムガプラザがある地域のこと)
ヌートリアって初めて聞いたんですが、韓国では生態系を破壊する外来種のため、今でも1匹捕まえたら2万ウォンの報奨金が出るんだそう。
ヌートリア(Nutria、中国語: 海狸鼠、学名: Myocastor coypus)は、ネズミ目(齧歯目)ヌートリア科ヌートリア属の小型哺乳類。別名は沼狸。南アメリカ原産。以前はカプロミス科に分類されていた。
日本には本来分布していない外来種で、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律では指定第一次指定種に分類されている。
出典:ヌートリア – Wikipedia
日本でも問題になってるんだね
Nuclear launched detected
16話、ハンソが兄はミサイルも打ちかねないとヴィンチェンツォに話した時、事務長がさりげなく話したのがこのフレーズ。
“Nuclear launched detected”
これはゲーム「スタークラフト」で核ミサイル発射が探知された時にアナウンスされる声。
3話でもホン・チャヨンが法務法人”わら”に来て父親と言い合いになりそうになった時、事務長がこのフレーズを口走って逃げていますね。
スタークラフトしたことある人は知ってるよ~
バベルの塔
16話、屋上でしていたヴィンチェンツォとホン・チャヨンの会話。
「聖書のようにバベルの塔を崩してやる」
ずっとバベルタワー、バベルタワーと言ってましたが、確かに「バベルの塔」ですね!
バベルの塔は、旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な塔。(一部省略)
実現不可能な天にも届く塔を建設しようとして、崩れてしまった(神に壊された)という故事にちなんで、空想的で実現不可能な計画の比喩としても用いられる。
出典:バベルの塔-Wikipedia
バベルってどこかで聞いたことがあるような…って思ってはいたんですが、聖書だったんですね。
韓国は日本より断然クリスチャンが多いので、けっこう映画などにも聖書関連の内容があったりします。
いや~パク・ジェボム作家のパズルのような話の組み方がすごい!
ゴンドレ マンドレ
17話でウサンの代表ハン・スンヒョクが有力な大統領選候補の議員に会うシーン。
ハン・スンヒョクが覚えてもらっていたことに感激していると、「打ち上げで1人でタンゴ踊りながら”ゴンドレ マンドレ”を歌ってた奴を忘れるわけない」と言われてましたが、
この歌は韓国人なら知ってる大ヒット曲で、日本語にすると「べろんべろん」「ぐでんぐでん」でべろべろに酔っぱらった状態の意味です笑(しかもトロット)
打ち上げにピッタリ
キム・ヒウォン、パク・ジェボム
17話、情報院でアン・ギソクが局長にギロチンファイルについて協力を求めるシーン。
「これでキム・ヒウォン本部長、パク・ジェボム局長をさしおいて、院長になるんです!」
ここに登場した名前は『ヴィンチェンツォ』のキム・ヒウォン監督とパク・ジェボム作家ですね。
同名の芸能人もいるから、そっちだと思った人もいるかも
ミックスコーヒー
韓国に来て衝撃だったものの一つがこのコーヒー。
通称ミックスコーヒーと呼ばれるスティックタイプのインスタントコーヒーなんですが、なにせ砂糖とクリームがたっぷり。(ほとんど白…)
もちろんカフェに行けばいろんなコーヒーはあるものの、会社や家に必ず常備されている国民的コーヒーがこのミックスコーヒー。
甘さと砂糖の量に罪悪感を感じてしまうんですが、辛い料理の後のこの甘さは幸せ度がアップするし、疲れた時にはこの甘さがホッとさせてくれます。
いつもエスプレッソを飲んでいたヴィンチェンツォも、だんだんこのミックスコーヒーにはまり、18話でイタリアに行くときにごっそり持っていきましたね!
けっこう中毒性があるので、飲みすぎ注意です。
4話では賭博場でおばちゃんがミックスコーヒーを入れるのを見て、ヴィンチェンツォもマネしてましたが、「スプーンがない時はスティックの袋で混ぜる」というこれまた韓国で衝撃を受けた必殺技!
(※環境ホルモンが溶け出すので体にはあまりよくないようです…)
ちなみにスティックをカットしてカップに入れる時、コーヒー、クリーム、砂糖の順に入るようになっているので、一番最後の砂糖の量は調節できます。アバウトですが…
たまに飲む甘~いコーヒーはおいしいよね
不正ビュッフェ
19話、チョン・イングク検事が上から墜落して死亡したレストランの名前が”부정 부페(不正ビュッフェ)”でした。
一字違いの韓国語、”부정 부패”は不正腐敗=汚職の意味で、発音もほぼ同じ。
こういう細かいネタが隠されてるのがわかるとおもしろい
韓国の七夕
韓国にも七夕があって、「織姫と彦星が会えますように…」というのはいっしょです。
でも韓国では、2人はカラスとカササギが作る橋=烏鵲橋を渡って出会うんだそう。
20話、ヴィンチェンツォは織姫じゃなくて、熊女って言って笑われてました。
こちらは韓国人なら子供も知ってる神話に出てくる人物。
しかも、それだけじゃなくて、実はホン・チャヨンを演じるチョン・ヨビン主演の10分短編映画『熊女(2015)』のタイトルでもあります。
ヴィンチェンツォとホン・チャヨンはカラスじゃなくてインザーギと仲間たちが橋を作ってくれたらいいねって言ってましたね。
韓国は七夕に雨が降ったら2人が無事に会えてうれし涙を流してる、別れるのが悲しくて泣いているって思うんだって
難易度3:オマージュ&パロディ
これもけっこう難易度高いです。
わかる人にはわかるオマージュ・パロディネタをまとめました~!
パク・ジェボム作家のしかけがいっぱい!
豪華キャスト&カメオ出演
そもそもキャストだけでなく、カメオ出演がすごい豪華!!
そんな出演者を一挙に紹介しています。
意外な人も出てておもしろいよ
最後に:おまけのトリビア
隠れネタをまとめてきましたが、いかがでしたか?
他にもトリビア的なものがあるので最後に少しだけ。
イタリアロケは全てCG
たとえば『パラサイト』や「今際の国のアリス」のように、VFXがすごい作品はいくつも観てきたはず。なのに、この作品はイタリアでの現地ロケだろうと完全に思い込んでました。みなさんは気付いてましたか? #ヴィンチェンツォ pic.twitter.com/lesjokh8oD
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) May 10, 2021
すごい~
セウォル号追悼
2014年4月16日、チェジュ島へ修学旅行へ向かった高校生を含む476名が乗船していたセウォル号が転覆、沈没した事故。
9話、バベル製薬の被害者遺族が珍島旅行へ行って殺害される前、様子をうかがっていた車のナンバーが「0416」。
ちなみに珍島(チンド)は済州島(チェジュ島)、巨済島(コジェ島)に次いで3番目に大きな島。
韓国では、未だにこの日は悲しくなるよね
KOPIKOの謎
韓国のテレビ番組は途中でCMが入らず、番組前後に流れることもあってか、ドラマなどでさりげなく登場する間接広告(PPL)がけっこうあります。
『ヴィンチェンツォ』の終盤にかけて、時々「KOPIKO」が登場しましたよね。
実はこれ、韓国では見たこともなく、あまり流通していないんです。
それもそのはず、インドネシアのコーヒーキャンディで、東南アジア市場で有名なブランドだそう。
今やNetflixで全世界に配信されるので、韓国ドラマの人気に乗って現地の消費者向けに広告されているんだとか。
どうりでスーパーやコンビニに探しに行ってもなかったわけです…。
韓国でもインターネットで買えるけど、日本の方が入手しやすいかも?
最後のセリフ
これはトリビアというより、作家が伝えたかったこと。
『ヴィンチェンツォ』はコメディ要素が多いものの、急に残忍なノワールになったりして、ちょっとビビったりしませんでしたか?
公式ページの企画意図にはこうあります。
この作品は「法」の上に君臨して「法の精神」に反する
「コリアンカルテル」に対する怒りと無力感を軽減するために企画された。本物のマフィアが「マフィア方式」でこのカルテルを壊滅させる過程を通じ、
この地に深く根付いた悪を追放するためには
時には変則的できつい方法も必要であることを言いたかった。たとえこれが実現不可能であるとしても…!
出典:빈센조:기획 의도
それだけ「悪は強く限りがない」←最後のセリフ
最終話を見た人なら、その怒りからくる残虐さにクラっとしたかもしれず、作品全体でも韓国社会に対する風刺がきいてました。
パク・ジェボム作家曰く、内容が苦いので、薬を飲みやすくするようにコメディでオブラートに包んだそう。
現実的に難しいからこそ、創作物でコメディやスタイリッシュな演出を織り交ぜながらこうした表現をすること、またこうした表現が許されることを歓迎したいと思います。
とても長くなってしまいましたが…、読んでくださってありがとうございました!
隠れネタを知ってからまた見るのもおもしろいよ~